そもそもママ友とはいつ頃に出来た言葉なのでしょうか。
もちろん子供を通じての母親同士の友人関係は以前から存在しています。
しかし現在のような「○○ちゃんママ」と呼び合うことや「ママ友名刺」などは以前には無かったように思います。
「子供ありきのママ友」から「ママ友ありきの子供」に変化していった事でトラブルや悩みが多発していることをよく耳にします。
今回は「昔の子育て」と「今の子育て」から見えるママ友の在り方を検証してみました。
Contents
昔の子育てから見える「ママ友」
昔から
「子供は泣いて育つ」
や
「かわいい子には旅をさせろ」
などの言葉がありましたが、今ではなかなか理解されにくい言葉になってきています。
昔のママ友とはどのような存在だったのでしょうか。
ご近所さんに育ててもらう
昔は、義理の両親と同居することは当たり前で、隣近所とのお付き合いも親密だった為、
子育てもたくさんの方に目をかけてもらいながらすることが出来ました。
隣近所に同じ年頃の子供がいれば、母親同士も仲良くなり、ママ友が自然と出来る環境がありました。
そのため用事を済ませたいときも隣近所に預けて遊んでもらうなど持ちつ持たれつの関係が出来ていました。
ネットに頼らない環境
スマホやパソコンを開けば分からないことはすぐに解決出来る今とは違い、
インターネットが普及していなかった頃は、
人に聞く、相談することで分からないことを解決することが当然でした。
そのため、幼稚園や学校でも分からないことがあれば分かる人に聞くことでしか解決が出来ないため、
知らない人とでも話す機会が自然と増えていった事でママ友が出来やすい環境にありました。
一人になれない
昔は良くも悪くも母親はゆっくり1人になれる時間が少なかったように思います。
家には常に義理の両親がおり、隣近所とも親密にお付き合いしているため、
悪く考えれば「窮屈」「息が詰まる」などと考えがちですが、
「子育て」という面では何かあればすぐに相談することが出来ました。
そこで子育てを1人で抱え込まずに、隣近所との井戸端会議などで
不安やストレスを払拭出来ていたように思います。
今の子育てから見える「ママ友」
今の子育ては、昔と比べると「ネット検索」や「SNSの普及」などを通じて、とても便利になりました。
では、今のママ友とはどのような存在になってきているのでしょうか。
隣近所との付き合いが希薄
最近では、結婚しても義理の両親と同居することが少なく、
共働きが増え、隣近所との付き合いもほとんど無いという核家族が増えてきています。
そのため分からない事や不安はすべてネットで調べて解決する事が多くなりました。
子供が小さいうちは子供が生まれた病院や児童館などでママ友と知り合いになるケースが多いようです。
そのため地域や生活水準が異なっていることが多く、何かと気を遣うこともあるようです。
「ママ友を作る」という観念
昔は、ママ友を作るという概念はなく、自然と友人関係が出来るという環境だったのに対し、
今は、「ママ友の作り方」や「ママ友との上手な付き合い方」
という言葉をよく目にするようになりました。
「公園デビュー」という言葉からも見えるように昔とは違い、
ママ友は「出来る」ものから「作る」ものへ変化しています。
ネットで何でも調べることは出来ますが、自分の周りはどのような考えを持っているのか、
自分の考えは周りから見てどう思われているのかなど
「子供ありきのママ友」
から
「ママ友ありきの子供」
へと形が変わり、ママ友の本意が昔と比べて自分本位になっている分、
ママ友は「作るもの」という概念に変わっていきました。
SNSを通じての関係
隣近所や学校で知り合ったママ友だけではなく、
今はSNSの普及などで習い事、趣味、仕事
などを通じてでもママ友が出来るようになってきました。
そのため「子供がいる=ママ友になる」と言ったように、
相手の素性もよく分からないまま簡単にSNSで繋がり、
友人関係を築くことが出来てしまうのです。
そのため生活水準、価値観などが異なり、仲間外れやいじめなど、
トラブルに発展することも少なくありません。
子供や子育てを通じて知り合うのではなく、
子供がいるということだけで出来た友人のため、
気を遣い、言葉を選びながらのお付き合いに悩んでいる方も多いようです。
昔と今を比較して見える現代のママ友が抱えるものとは
時代は移り変わり、ママ友の在り方も大きく様変わりしてきました。
昔に比べ、生活は大変便利になりましたが、
昔のママ友と比べて今のママ友が抱えるものとはいったい何なのでしょうか。
孤独
上記でも述べたように、昔は母親が1人になれることは少なく、
隣近所も含めて子育てを行っていました。
しかし現在は、便利になった上、
家族構成も核家族が多いことから子育てに孤独を感じ、
誰かと繋がっていたいという
「親和欲求」
が強く表れ、
「ママ友を作る」や「SNSで繋がる」
といった傾向が多く見られるようになりました。
女性は子供を持つことで人と繋がっていたいという
気持ちが一層強まるようです。
SNS依存症
子育ての不安をSNSで繋がることで解消していましたが、
いつしかそれに依存するようになり、
子育てより「自分を褒めて認めてほしい」という親和欲求の場になってきています。
子育てはやって当たり前という昔に比べて、
今はSNSを通じて人と繋がり、認めてもらえることで
「社会との繋がり」や「自分のやっていることは間違っていない」
ということを認識しているように思います。
それが時に子供より優先されることがあり、
ママ友の間でもプライドのぶつかり合いやトラブルに発展することも少なくありません。
やはり昔の子育てに比べて
「孤独な環境」がSNS依存症に一層の拍車をかけているように思います。
細く長く続く友人関係
昔のママ友とは一過性のものが多いです。
「学校が変わった」「就学が終わった」
など環境が変わることで自然とママ友の付き合いも無くなります。
昔のママ友は、「子供ありきの友人関係」だったので、
子供の不安や悩みが解消されれば、疎遠になっていきます。
しかし今のママ友は「ママ友ありきの友人関係」なので、
子供の環境が変化しても友人関係が無くなることはありません。
「どこの学校に入った」「就職はどうした」「結婚はしたのか」
など変わらなくお付き合いが続きます。
もう子育ては終わったのに、ダラダラとした形だけの付き合い方に悩んでいる方も多いようです。
まとめ
昔も今も子育てや育児への不安は常にあるものの、
世間が大きく変化したことで子育てへの常識や考え方などが変わり、
ママ友の在り方も変化しています。
SNSが普及したことで「ママ友ありきの子供」をよく目にするようになりました。
私がとあるレストランを訪れた際、子供同伴でママ友がランチをしていました。
子供にお子様ランチが運ばれてきて、それを食べようとした子供に
「待って!まだ食べないで!写真を撮るから待って!」
と静止させ、写真を撮っていました。
「お腹空いた」という子供の言葉には耳も傾けず、
「今度はご飯と一緒に撮るから笑って!」と催促する始末でした。
撮り終わると満足したのか
「もう食べていいよ!」
とまるで犬のような扱いに驚きました。
ママ友全員がスマホに夢中で子供には
「カメラ越しの愛情」
になっているように感じました。
昔と違い、今のママ友は孤独に感じる環境を打破するべく
「人との繋がり」や「共感してもらうこと」を大切にしています。
しかしそれが子供のためではなく、自分本位になっていることも少なくありません。
本来、大切にすべき子供の存在を二の次にしていませんか。
この記事を読んで、それを考えてみるきっかけにして頂ければ幸いです。
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