
kope
専門雑誌編集者を経て、2人めの出産を機にフリーエディターに。フラと校正が趣味。字を書くこと、人と話すこと、コーヒーが好き。
正月飾りや鏡餅、おせち用の食材がスーパーに並ぶようになりました。
マンションなどでしめ縄は飾らないという方も、干支の置物や鏡餅は飾る、というご家庭は多いと思います。
子供たちはお餅が大好き。
最近ではパッケージもエコで食べやすい鏡餅商品の種類も豊富になり、今年はインスタ映えする鏡餅も出てきました(どんな鏡餅かは後半で紹介します)。
クリスマスデコレーションを片付けたら、冬休みの子供と一緒に正月飾りや鏡餅を飾るのもいい経験になります。
クリスマスのようにはっきりと終わりがわかりにくいお正月。
正月飾りや鏡餅などはいつ飾ればいいのか、また、いつまで飾っておけばいいのか調べました!
鏡餅を飾りたくなる、お餅が食べたくなる絵本も紹介します。
Contents
正月飾りや鏡餅、飾るなら28日。飾ってはダメな日もあります
正月飾りを購入する時期に決まりはありませんが、12月13日から「松の内」になり、これ以降なら飾ってもよいとされています。
夕方のニュース番組で「○○神社で、新しい年を迎えるためのすす払いが行われました」という映像が流れるのもこのころです。
たしかに12月半ばになるとスーパーやホームセンターなど、店頭にはお正月用品が目立つところに並んできますが、クリスマスツリーを飾っている横に鏡餅を飾る気分にはなりませんよね。
ツリーやクリスマス飾りを片付けて12月28日までに飾ればOK。
ちなみに2018年は友引です。
クリスマス以降となると冬休みになり、子供もいて何かと気忙しいのですが、12月31日にバタバタと年賀状を書きながら、子どもに「鏡餅飾っておいて~」というのはNG。
「一夜飾り」といって好ましくないのです。
神様を迎える準備なのに、いかにもやっつけ仕事のようではダメだということですね。
29日も「二重苦」につながるので避けた方がよいとされ、飾るのは28日か30日ということになります。
今年の30日は仏滅ですが…。
鏡餅は年神様へのお供え、お年玉はそのおすそ分け
お盆にはご先祖様が家に帰ってきますが、お正月には年神様が家に来てくれます。
年神様を家のなかにお迎えするのがお正月です。
大掃除も年神様を迎える準備ですし、しめ飾りや鏡餅を飾るのもその一つ。
個人の家庭で飾るところは少ないですが、門松は年神様に来てもらうための目印になります。
日ごろ食べるお餅は四角いのに、鏡餅が丸い形をしているのは、神様が宿るといわれた「銅鏡」に似せたから。
日本鏡餅組合のホームページによると
『お祝い事のハレ(特別な日)に食べるお餅の原料の稲(お米)には、古くから人間の生命力を強くする霊力があると信じられていました。お鏡餅の丸い形は人の魂(心臓)を模したといわれ、御神体である鏡が円形だったことから「鏡餅」と呼ばれるようになったそうです』
と書かれています。
年神様が稲の神様だということからも、日本人にとってお米やお餅がパワーの宿るものという考えは分かる気がします。
ちなみに、お年玉のルーツは、年長者が家族に鏡餅を分け与えたことからだと言われています。
明治のころから、それがお金に変わっていったようです(『もののはじまり館』小学館参照)。
正月飾りをはずす「松納め」は1月7日、15日
先ほど、松の内からお正月飾りを飾ってもよい、と書きました。松の内があれば、松納めもあります。
神社本庁ホームページによると、
『「松納め」は歳神様をお招きするために飾った門松を取りはずす行事です。地域により3日、5日、6日、15日などさまざまな風習があります』
とのこと。
一般的に関東は7日、関西は15日に正月飾りをはずします。
はずしたお正月飾りは、神社に持っていくとたくさん集められている場所がありますので、そこに納めるか、どんど焼き(左義長)などで燃やします。
最近はたき火を行うことができず、火をあまり見たことのない子も多いので、地域でどんど焼き(左義長)を行っているところを探して行ってみるのもよい経験になります。
2019年の鏡開きは1月11日
2019年の…と書きましたが、毎年鏡開きの日は同じ、1月11日とされています。
成人式や母の日のように、今年は何日だろう?と考える必要はありません。
一般的に鏡開きは1月11日(2019年は金曜日)ですが、関西では1月15日など地域によって違いがあるようです。
鏡開きといえば「鏡餅を包丁で切ると切腹をイメージして縁起が悪い」と聞いたことがあるかと思います。
木槌などで割りましょう、とあるのはそのためです。
生餅でできた鏡餅を飾っていたころは木槌で割っていたようですが、木槌なんか家にない!という家庭も多いでしょうし、「充填式の鏡餅は包丁で切ってもらったほうが出しやすいです」と、日本鏡餅組合の方に教えてもらいました。
地域の風習や昔ながらの文化を知り、形式を重んじて伝えていくことはもちろん大切ですが、大掃除をして、できる範囲で飾り、新しい年を迎える準備をする気持ちが大事なのですね。
今回、お話を聞いた組合の方も「年神様を迎えるお気持ちで飾ってもらって、鏡開きになったら食べてくださいね」とやさしく教えてくださいました。
鏡餅が進化している!? おしゃれな鏡餅も登場
(サトウ食品ホームページより)
お餅メーカーはいろいろな鏡餅商品を発売しています。
鏡餅にもインスタ映えの波が!
サトウの切り餅でおなじみのサトウ食品は、英語パッケージの鏡餅『賀正いっぽん』(写真)を発売しています。
鏡餅と言えば誰もが想像する2段重ねの丸餅の姿は一切ないという潔さ!
そのまま立てて飾るもので、中身はスティック状のお餅が3本入っているそうです。
(うさぎもちホームページより)
来年の干支はクマではなくイノシシですが、リラックマがちょこんと載っているかわいい鏡餅も。
子供部屋に飾ったら喜びそうですね。
このようなパッケージされた鏡餅が今は主流ですが、充填式(お餅が詰まっているタイプ)と、切り餅が入っているタイプなどがあります。
お餅を出した後の容器がつぶれてゴミを減らせるようになっていたり、そのままレンジ加熱できるようになっていたりする商品もあり、選ぶのが迷ってしまいます(調理法はそれぞれのパッケージ裏にある説明を読んでください)。
鏡餅のウケる絵本もあります
(『おもちのきもち』かがくい ひろし/講談社)
『だるまさん』シリーズでおなじみの、かがくいひろしさんの絵本です。
年明けの読み聞かせで読んだことがありますが、鏡餅のありえない行動に小学生も大ウケでした(鏡餅が行動するという時点でおもしろいですよね)。
飾られる鏡餅の気持ちは複雑なようです。
機会があればぜひ読んでみてください!
(『14ひきのもちつき』いわむら かずお/童心社)
こちらはねずみの家族が仲よくお餅つきをして、お正月を迎える準備をする様子がほほえましい絵本です。
巻末に素朴な手作り鏡餅の挿絵があります。
先日、学校の餅つきで食中毒が発生したというニュースがありましたが、最近は餅つきを自粛する自治会も増えていると聞きます。
昔ながらの餅つきを知らない子供たちが増えていってしまうのかと思うとさみしい気もします。
楽しそうな餅つきの様子が描かれていて、「餅つきしたい!つきたてのお餅を食べたい!」と思う一冊です。
今年は28日までに鏡餅を飾ろう
筆者の実家では、20年ほど前までは12月半ばごろに近所の和菓子屋にお餅2種類を頼んでいました。
お正月に食べるためののし餅と、鏡餅です。
鏡餅と一緒に飾る裏白(葉っぱです)や橙(だいだい)はスーパーで購入し、神棚、仏壇、床の間、リビング、台所、脱衣場、子供部屋に飾っていました。
当時は単なる飾り物だと思って手伝っていましたが、家じゅうの神様にお供えしていたんですね。
主人の実家では、今でも義母が年末になるともち米を買ってきて、家庭用餅つき機でこねた餅を丸めて鏡餅を作っています。
もち米が蒸される香りは本当にいいものですよ。
ホームベーカリーで餅つきできるものもあるので、家でお餅をつくるのもいいかもしれません。
地域によって違いがありますが、1歳の誕生日に一升餅を背負わせたり、家を建てるときにお餅をまいたり、ひな祭りは菱餅、端午の節句はかしわ餅…と、節目節目にお餅が関係していることに気が付きました。
それだけ日本人になじみ深いお餅。
家族で大掃除をして、28日には鏡餅や正月飾りをどこに飾ろうかと考えながら、楽しく新しい年を迎えたいですね。
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