最近、突然引退を表明した若手女優さんが「月給5万円だった」といってニュースになりましたね。
この月給5万円というのは芸能界という特殊な世界のことですし、真偽のほどはわかりませんが、
私たちがアルバイトや就職先を選ぶ際に時給や月給をチェックするのはあたりまえのことですよね。
いくら卒業したての新入社員でも、普通に就職して月給5万円はありえませんし、
それだったらその会社には就職していないと思います。
しかし、仕事を選ぶ際に、内容や勤務地はもちろんですが、お給料については単に
「時給がいい」、「月給がかなりもらえる」という観点でしか見ていないのではないでしょうか?
逃げ恥で見直された? 主婦の労働対価
(画像:公式ツイッターより)
昨年のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」、ご覧になっていましたか?
説明するまでもなく、昨年、最も注目されたドラマのひとつですよね。
ご覧になっていない方のためにざっくり解説すると…
(多少の語弊はご容赦ください)
・彼女いない歴=年齢の独身男性、平匡(ひらまさ)が、大学院卒で就職先のない(派遣切りの経験はあり)女子、みくりを家事代行として雇う・今度こそ失業しないよう、みくりは偽装結婚という形で継続を提案
・2人は契約結婚をして、雇用主(夫)と従業員(妻)という形をとりつつ生活 ・それが次第にお互いを好きになり、紆余曲折を経てめでたく本当の夫婦に… |
という流れでした。
この2人のムズキュンな関係ももちろん話題でしたが、
ドラマ内で「雇用」「時給」「労働対価」など、
普段、お給料をもらえない主婦の仕事を仕事として認めてくれたりして、
それがうれしかったりおもしろかったりして、見ていた主婦のみなさんも多いのではないでしょうか?
ところで「最低賃金」って?
(厚生労働省ホームページより)
このドラマの中で専業主婦として雇用されていたみくりですが、
ひょんなことから商店街の青空市を手伝うことになりました。
しかし、労働に対する対価には厳しいみくり(笑)。
友達のためでもあるのですが、ボランティアでは動きません。
お礼をもらってこの話を引き受けます。
しかし、やってみると出店者との調整や資材の発注など、想像以上に手間も時間もかかる労働。
このままではお礼の額に見合わない!
そこでみくりが考えたのは、
「働く時間を一定内に収めるようにする=お礼を時給で割った時間以上に働かないようにすること」
というでした。
その計算の時給の目安に使われたのが横浜市の「最低賃金」です
(ドラマは横浜市に住む2人という想定だったのですね)。
では最低賃金とは何でしょうか?
最低賃金(最低賃金制度)とは、厚生労働省による定義だと
「最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者は、
その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度」です。
雇用主は国で定められた最低賃金以上を払う必要があり、
労働者は最低賃金以上で働く権利があるということですね。
利益を増やそうと安く雇い過ぎるのは法律違反なんです。
一方、自分の契約した時給、日給、月給がまわりより低いかも?
と気になるようでしたら、
「未経験者だししょうがないか」
「もう40歳超えてるからかな」
などとあきらめず、自分の最低賃金を調べてみましょう!
都道府県別!最低賃金の違い
そもそも最低賃金はどのようにして決まっているのでしょうか。
年齢でしょうか?
職種でしょうか?
実は最低賃金には2種類あります。
① 都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」
② 特定の産業を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」
この2つです。
特定(産業別)最低賃金は、地域別最低賃金よりも高い金額基準で定められているそうです。
北海道なら乳製品製造業、愛知県なら自動車小売業など、
その地域ごとに産業が指定されています。
多くの職種は地域別最低賃金が適用になるので、チェックしてみましょう。
なんとなく都会のバイトは時給がいい、
同じファストフードチェーンでも県が違うと時給が違う、ということは想像ができます。
実際にどの程度の差があるのでしょう?
【全国の主な地域別最低賃金(発効 平成28年10月1日)】
(そのほかの府県は厚生労働省ホームページで確認できます)
北海道 786円 福島県 726円 茨城県 771円 千葉県 842円 東京都 932円 石川県 757円 山梨県 759円 長野県 770円 三重県 795円 愛知県 845円 大阪府 883円 兵庫県 819円 島根県 718円 徳島県 716円 福岡県 765円 熊本県 715円 宮崎県 714円 沖縄県 714円 |
このように、都道府県ごとに最低賃金は異なります。
ちなみに地域別の最低賃金は、正社員だけでなく、
パートもアルバイトも派遣社員も対象です。
学生アルバイトも例外ではありません。
派遣社員や派遣労働者の場合、雇用されている派遣元の所在地ではなく、
派遣されて勤務している所在地の最低賃金が適応されるので、勤務地の最低賃金をチェックしましょう。
一方の特定(産業別)最低賃金は、18歳未満や65歳以上などは対象から外れます。
最低賃金チェックの方法と注意点
(厚生労働省・最低賃金制度特設サイトより)
最低賃金をチェックする際に該当するのは、毎月の決まったお給料です。
賞与や通勤手当、臨時に発生する賃金(結婚、出産手当など)は計算から外して考えてください。
計算方法は賃金の支払われ方によって異なります。
(1)時間給の場合 時間給≧最低賃金(時間額)(2)日給の場合 日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金(時間額)(3)月給の場合 月給÷1カ月平均所定労働時間≧最低賃金(時間額) |
最低賃金(時間額)は、厚生労働省ホームページの一覧表から確認できます。
厚生労働省の示す、A県で働くBさんの例ですと(A県の最低賃金 800円とする)
基本給(月給)127,000円
職務手当(月給)25,000円
通勤手当(月給)8,000円 合計160,000円
1カ月の平均所定労働時間 160時間
160,000円-8,000円=152,000円
152,000円÷160時間=950≧800円
A県の最低賃金以上になっています。
このように簡単に計算して確かめることができます。
ただし、先ほども説明した特定地域内の特定産業に従事されている方や、
歩合給などのあるタクシー運転手さんなど、ちょっと計算が難しい場合があります。
厚生労働省ホームページにも詳しく書かれていますが、
最寄りの労働局などへ問い合わせることもできます。
まとめ
(厚生労働省ホームページより)
これまでも主婦の働き方について、主婦へえでもいろいろ紹介してきました。
登録派遣、アルバイト、短時間の求人情報サイト、クラウドソーシングを利用した在宅ワークなど、
働き方は以前より多くなり、選びやすくなっていると言えます。
しかし、どうしても
「子どものいない時間だけ」
「長期休みはシフトを入れずにいたい」
「ブランクが気になる」
など、こちらが弱い立場になっていると感じる主婦の方も多いのではないでしょうか?
しかし、どんな働き方であれ、働く権利や最低限支払われる賃金は守られるべきものなのです。
自分だけでなく、子どもたちが春から新生活でアルバイトを始めるときなど、
少し気にしてみるのもいいと思います。
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