加入者自らが運用していく年金制度である「確定拠出年金」をご存知でしょうか?
税制面でかなり優遇されていること、法改正により2017年1月から一部の方を除き、主婦の方も含めた20~60歳までのほとんどの方が加入できるようになったことなどから、老後の備えとして注目されている年金制度です。
では、主婦の方にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか?
気になる年金制度、確定拠出年金とは。
Contents
1.確定拠出年金とは?
企業や個人が掛け金を拠出し、加入者自らの運用により将来受け取ることのできる金額が変わるという、2001年に導入された年金制度です。
運用次第でより多くの年金を受け取ることもできますし、安全を取って元本に近いわずかな利息のみが増える場合もあれば、元本割れしてしまうといったケースもありますので、しっかりと調べた上で加入してくださいね!
確定拠出年金には、会社が設置する企業型と個人が任意で加入する個人型とがありますが、ここでは主婦の方も加入できる個人型についてお伝えしていきます。
2.資産運用の選択肢
どのような商品を購入し、運用していくかはあなた次第。
ではありますが、金融機関によって取り扱っている商品が違いますので、どの金融機関を利用するかもしっかりと検討する必要があるようです。
商品は大きく分けると2つあります。
元本確保型商品
満期まで保有すると元本が保証され、利回りがつくものです。(銀行の定期預金、生損保商品など)
ただし、魅力的な利率とは言えません。
例えば、毎月1万円を40年間かけ(元本480万円)、年率0.15%の場合、40年後でも495万円にしかなりません。
もし、投資信託などで年率3%のものにかけると40年後には919万円にもなりますので、元本確保型商品は安心ではありますが、機会損失をしているという考え方もあるようです。
リスク運用型商品
投資信託や債権、株など元本割れの危険性はありますが、商品によってはハイリターンを期待できるものもあります。
確定拠出年金を通すと通常よりも投資信託の手数料が低く設定されているため、別に購入するよりもお得になります。
運用商品はいつでも変更できますので、時々の状況をよく見極めてしっかりと管理していくこと、リスクを小さくするために分散させて投資するなどといった工夫が必要です。
3.確定拠出年金のメリット・デメリット
メリット
3つの税制メリット
(1)掛金が非課税(所得税、住民税が軽減される)
(2)運用によって生じた利益が非課税(利息、配当、分配金、売却益等)
(3)受け取り時に税控除の対象(年金受け取りは公的年金等控除、一時金受け取りは退職所得控除の対象)
転職の際にも引継ぎができる
転職先に確定拠出年金制度がない場合には、個人型に切り替えることができます。
デメリット
原則60歳まで現金化することができない
ただし、掛金の変更はできるので家計の状況によって増減できます。
(専業主婦などの国民年金第3号被保険者は、月額23000円、年額276000円が掛金の限度額となります。)
損失がでても自己責任
損失を補填するような制度はないので、慎重に運用していく必要があります。
加入時と運用期間中に様々な手数料がかかる
月額数百円でも、長期でみると大きな負担になります。
手数料無料にしているネット証券などを利用すると負担を軽減することができますよ。
4.主婦も加入したほうがお得?
専業主婦や年収が103万円以下のパート勤めをされている方は、元々所得税や住民税を支払っていないので、大きなメリットである節税効果があまり感じられないでしょう。
もし、それ以上の年収があっても夫の給与の方が高い場合、夫が加入したほうが所得税控除による税制メリットは大きくなります。
以上のことなどから、主婦の方が加入する大きなメリットはあまりないようです。
夫が個人型確定拠出年金に加入して限度額まで掛金を拠出し、それでも多くの掛金を拠出する余裕があり、手数料分の運用利益をだす自信のある方は加入を考えてみてもいいのかもしれません。
5.まとめ
うまい話しって、なかなかないものですよね。
しかし、夫や公務員の方であれば3つの大きな税制上のメリットをフル活用し、老後の大きな支えとなりうる年金制度です。
ただ老後の不安を抱えているよりも、自らの責任で自分の老後を豊かにするために確定拠出年金への加入を検討してみてはいかがでしょうか。
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