年金といえば、現在65歳になると支給されますが、
将来、支給開始年齢が引きあがることも考えられます。
そうなると、それまで働いてお給料をもらい続けるか、蓄えを使って生活していかなければなりません。
65歳までなんとかしのげれば…、と思っていたら大きな落とし穴があるかも?
そこで今年話題になっているのが
「個人型確定拠出年金」。
通称iDeCo(イデコ)です。
確定拠出年金という言葉をご存知でしょうか?
確定拠出年金とは、公的年金(基礎年金=国民年金、厚生年金)に上乗せされる年金制度のことです。
それが今年から給与所得者でない専業主婦でも加入できるようになり、節税にもなり、
老後の資産が増やせるといいことづくめらしいのですが、どうやって始めるのでしょうか?
年金のおさらい
年金は基本的に誰でももらえるものですし、もらえないと困ってしまいますよね。
誰でももらえるいわゆる年金は、正式には「国民年金」や「基礎年金」と言われます。
それに加えて会社員や公務員は「厚生年金」というものが上積みされて支給されます。
この2つは公的年金と呼ばれます。
また、CMなどで耳にする「国民年金基金」とは、任意で自営業者など第1号被保険者が加入する年金です。
自営業者やフリーランスの人は所属する企業がないため、厚生年金がありません。
もらえるのは基礎年金だけになりますので、会社員などとの支給額の差を減らすべく、
基礎年金に上乗せして支給してもらうために積み立てるものです。
このように、年金支給時に基礎年金に上乗せしてもらうためのものが、
国民年金基金、企業年金、そして確定拠出年金などです。
自分は、ご主人は何号被保険者?
年金において、日本中の誰もが以下の3つに分類されます。
自分がどのタイプかによって、もらえるものが変わってきます。
第1号被保険者…自営業者、フリーランス、無職、学生など 第2号被保険者…会社員・公務員 第3号被保険者…専業主婦(第2号被保険者の扶養配偶者) |
第2号被保険者のなかでも、企業年金のある会社と、
ない会社があり、もらえるものは変わってきます。
企業年金のない会社の第2号被保険者と、
主に自営業者の第1号被保険者がこれまでも入ることができていたのが上乗せのひとつが
「確定拠出年金」です。
今年1月から、企業年金のない会社の第2号被保険者や第1号被保険者以外にも、
確定拠出年金が誰でも使えるようになりました。
それが個人型確定拠出年金、通称「iDeCO(イデコ)」と呼ばれるものです。
確定拠出年金をうまく利用できれば、将来、
誰しももらえる年金額が増えるかもしれないというわけです。
個人型確定拠出年金(イデコ)を解説!
うまく利用できれば、といってもどうしたらいいかわかりませんよね。
ざっくり言うと、
『今までどおり年金を納めるだけでなく、今手元にある資産を運用し、それを積み立てる。それを60歳になったらもらって使う』
という感じです。
出ました! 運用! 最近『主婦へえ』で頻出のワードです。
そうです、自分で増やす努力が必要で、結果は自己責任です。
増えるかどうかは自分次第です。
そう聞くと「せっかく今ある資金が減るかもしれない。
運用とか投資とかよくわからないし、初心者には難しいし、
減ったらデメリットでは?」と思いますよね。
ではイデコのどこがいいのかというと、
①掛け金の全額が所得控除の対象となる ②運用中の利益には非課税 ③60歳になれば運用で貯まった資金を一括や分割で受け取れる |
こんなメリットがあるのです。
それぞれ見てみましょう。
① 掛け金の全額が所得控除の対象となる
運用できるならたくさんかけて、どーんと増やそう! しかし、確定拠出年金でかけられる金額には制限があります。 金額は最低月に5000円以上、1000円単位です。 職種によっても違いがあります。上限は以下の通り。 ・公務員 月1万2,000円 金額は年度に一度だけ変更ができます。 これらの金額は、所得控除対象となります。 掛け金を引いた額に税金がかかりますので、節税となるわけです。 例えば、 年収500万円の会社員が月額1万2,000円かけた場合 掛け金の年額は1万2,000円×12カ月=14万4,000円 所得税・住民税の軽減額は年2万8,800円となります。 毎年3万円弱節税となるわけです。これは大きいですよね。 専業主婦個人ではメリットとはいいがたいかもしれませんが、 |
② 運用中の利益には非課税これはNISAとも似ていますが、確定拠出年金の運用で出た利益には課税がされません。
通常の口座で行う投資などでは、利益が出ると課税されます。 それがないのは運用するうえで大きなメリットです。 長く続けるほど、そのメリットはどんどん大きくなりますよね。 |
③ 60歳になれば運用で貯まった資金を一括や分割で受け取れる
基礎年金は 退職金のように一括で受け取ったり、分割で受け取ったり、 またイデコを51歳から始めた!という方など、始めて10年未満の人は、 60歳までに10年は掛ける!と覚えましょう。 そして受け取る際には公的年金等控除の対象となり、所得税などが安くなります。 |
主婦もイデコを始めよう!
メリットが分かっていただけたところで、どうやって始めたらよいのでしょうか。
流れは簡単で、
・お金を預ける、運用するための金融機関を選びます
・金額を決める
・運用する金融商品を選ぶ
以上です。
このように一見簡単ですが、大切なポイントがいくつかあります。
金融機関は銀行や証券会社だけでなく、保険会社でもオッケーです。
1つしか選べませんので資料を集めて比べましょう。
運用する金融商品は元本確保型のもの(いわゆる定期預金や保険)と投資信託など、
金融機関によって異なります。
また、かけたお金は60歳になるまで一切おろせません。
投資は長く続けるほどメリットが大きいと言われます。
早く始ればメリットも大きくなる可能性も高い言えますが、
イデコの場合、おろせない時期も長くなります。
生活資金や不測の事態に備え、ある程度手元に置いておく、
通常の銀行口座に入れておくなど対策をしましょう。
まとめ
専業主婦でも入れるようになり、節税にもなるいいことだらけのようなイデコですが、
心配な点はやはり60歳までおろせないことではないでしょうか。
運用して貯まったお金も途中でおろせないということは、
子どもの教育資金や家族で海外旅行といった用途などには使えないということです
(60歳過ぎてから子供が大学入学を迎える場合などには使えますし、
自分がばーば世代になって3世代旅行にも行けますよ)。
主婦感覚では「子どもが私立に行きたいといったらどうしよう?」
「親の介護が長引いて、予想以上にお金がかかったらどうしよう?」
「主人が急に転職したいと言ったら?お給料が下がったら?」
など、積み立てたお金が2~30年もおろせないというのはやっぱり心配です。
しかし、どんどん減っていく資産、上がる物価や消費税など、
何もしないことのほうがデメリットとされる時代であることは確かです。
イデコは子どもに迷惑をかけず、下流老人にならないで済むよう、
自分の老後のためのものだ!と割り切って始めましょう。
そして子どもの学費はジュニアNISAで貯めるのも一つの方法です。
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