近年、「モラルハラスメント」という言葉をよく耳にするようになりました。
精神的な暴力は、目に見えない分、時間をかけて相手の心を蝕んでいきます。
気付いたときには「うつ」「統合失調症」などの病気になっていることも少なくありません。
そのモラルハラスメントを愛を誓い合った夫から受けてしまったらあなたはどうしますか?
少し前に芸能人でも旦那によるモラルハラスメントで離婚したカップルがいましたね。
今回は、モラハラ夫の実例集とモラハラ夫だった時の対処法・モラハラ夫になってしまった理由について詳しく解説します。
そして最後に「モラハラ夫のチェック項目」を用意したので、あなたの旦那がモラハラ夫かどうか是非確認してみてください。
これは完全にモラハラ!実例集
私の周りのモラハラ夫の実例集です。
もしかしてこんなことされたり言われてたりしていませんか?
年齢差のあるカップル。十分な生活費を渡せるだけの収入がありながら、ギリギリの金額しか生活費も小遣いも渡しません。美容院代がかかるのでショートヘアにさせられ、トイレットペーパーの量もチェック、ティッシュペーパーに至っては、わざわざ2重部分を割いてから使用するよう強要します。でも夫自身は、友人たちとの遊興費に毎月数万平気で出費している状況です。これは経済DVでもありますね。 |
いつも親族や友人達・他人の前で妻を罵倒するモラハラ夫。「こいつはいつもこんなで参っちゃうよー」というのが口癖。周囲から態度を改めるよういさめられてもお構いなし。夫婦二人の時は普通の扱い方らしい。 |
機嫌や気分によって妻を無視するモラハラ夫。被害にあっている妻の方が「何か怒らせることでもしたかな?」と旦那の顔色をみるようになってしまう。 |
妻の意思や体調にお構いなしに性交渉を強要するモラハラ夫。断ったり逆らうと怖いので、いつも喜んで応じているように演技をしなくてはいけない性的モラハラ。 |
実家や友人と分断するモラハラ夫。家庭内のことを外に漏らされたくないため、実家や友人との付き合いをさせません。今日誰と合ったかどこにでかけたか監視したりチェックしたりします。 |
これは、ほんの一例ですが、本当にひどいですよね。
では、こんなモラハラ夫にはどのように対処したら良いでしょうか?
つづいて、モラハラ夫だった場合の対処法を7つご紹介します。
「モラハラ夫」だった場合の7つの対処法
自分の夫がモラハラ夫だった場合、あなたはどうしますか?
嵐が過ぎ去るのを待つように嫌がらせに必死で耐えますか?
言葉を選んで会話をして、言われた通りにしか行動できない生活は窮屈ですよね。
そこでモラハラ夫だった場合の対処法を簡単にご紹介します。
モラハラ夫を恐れているばかりでは何も変わりません。
現実から目をそらさず、まずは行動に移すことが大切です。
これまで他の記事で色々と調べ済みかもしれませんが、ちょっと違う視点で7つの対処法を考えてみました。
モラハラ夫の対処法
(1)男性更年期かも。場合によっては病院へ (2)適当にやりすごす (3)被害者体質から抜けだし危機感を与える (4)こっそり嫌がらせでストレス発散 (5)身近な公的機関を訪ねる (6)逆モラハラをしてやる (7)思い切って離婚 |
(1)優しかった夫が突然モラハラ夫に?それは男性更年期障害かも!病院へ
優しくて穏やかだった夫が45歳ごろを境に急にモラハラ夫になった!と感じたら、それは男性ホルモンの減少による男性更年期障害の症状かもしれません。
男性ホルモンが減ると、自律神経のバランスが崩れてアドレナリン物質が出て怒りやすくなります。
また、
●家族から馬鹿にされている ●家族の仲間外れになっている ●汚い臭いなど尊敬されていない |
という被害者意識を持ちやすいのも特徴の一つです。
まずは、ホルモンのせいでこんなにイライラするんだ!と自覚を持たせることが大事です。
本人自身も気付かず感情的になっているのかもしれません。
あまりにひどい場合は、病院で更年期障害の治療薬をもらうことをおすすめします。
(2)モラハラ夫とは適当に付き合う
自己愛性人格障害であるモラハラ夫の行動は、基本的にかわることはありません。
相手を変えようとがんばっても解決には至らないでしょう。
●なるべく同じ部屋で過ごさない ●夫の話を真に受けて同情心をもたない ●適当に持ち上げておく |
モラハラ夫の潜在意識には、弱い自分自身を隠すために妻の優位に立ちたい心理があります。
つまり、自分が優位であることが示せれば満足なのです。
過剰反応は控え、感情を押し殺して手の上で転がすつもりで、おだてたりしながら適当に接するのが一つの対処法です。
なるべく同じ空間で過ごさない「家庭内別居」状態を作るのもお互いにとって良策でしょう。
(3)被害者体質から抜け出し危機感を与える
モラハラ夫の中には、妻の配慮や同情につけあがってエスカレートしていく場合があります。
妻が泣き出すまで攻め続けたり、怒りの反応を楽しんだりするかもしれません。
妻が自分の態度を受け入れてくれていると思い込んでいるんです。
そのため、妻自身が被害者体質から抜け出して、「離婚されるかも」という危機感を持たせれば、夫の態度も変わってくるかもしれません。
(4)わからないように嫌がらせをしてストレス発散
私の友人のご主人はなかなかのレベルのモラハラ夫です。
彼女はそのストレス発散のために、日々の結婚生活の中で小さな嫌がらせをして仕返しいるのです。
例えば、
●自分や息子娘たちのパンは評判のパン屋さんのパンで、ダンナのパンだけスーパーで買った安物のパン。(なぜかバレない)
●下に落ちてしまった食材は旦那用に調理。 ●夫のバスタオルだけずっと洗わない ●目覚ましのアラームを鳴らないよう夜中のうちに止めておき、翌朝慌てさせる |
など、旦那本人には気づかれない程度の嫌がらせです。
現状を変えることはできませんが、ストレスの発散にはなります。
嫌な上司の対処法と似ていますね。
じっと耐えているより何倍も建設的な対策法です。
(5)まずは身近な公的機関へ
モラハラ夫は外面が良いので、友人や身内に相談してもなかなか改善することが出来ません。
ましては、義父義母に相談しようものなら、「両親に何を言ったんだ!」と逆上すること間違いなしですし、相談したところで両親たちも協力者になるどころか息子を守る側にまわりかねません。
そこでまずは公的機関である、市の無料電話相談センターやモラハラ夫などを専門に扱っているような相談窓口、カウンセリング専門機関で現状を話してみましょう。
そこで自分の夫がモラハラ夫なのだと第三者に指摘してもらうことで気持ちを固めましょう。
そして小さなことから証拠となる可能性のあるものを集めていきましょう。夫のモラハラを録音することやどのようなことで自分が傷ついたかをその都度、記録しておくことが大切です。
医師から診断書を書いてもらうことも有力です。
やられっ放しにならず、いつか見返してやるという気持ちを持って、少しずつ準備行動に移してみましょう。
(6)逆モラハラをしてみましょう
モラハラ夫に反撃してみるのも1つの方法です。
モラハラ夫は、仕事は出来ますが、家事や育児は苦手です。
自分で食事を作ることすらできないかもしれません。
家事や育児は、仕事をすることと同じくらい大変です。
それを「お前はその程度しか出来ない」「金を稼ぐ人が一番偉いんだ」などとモラハラ夫からマインドコントロールされていませんか?
特に専業主婦に多いような気がします。
「家事や育児に関しては、あなただって何も出来ないわよね」と反撃してみてはどうですか?
そこでモラハラ夫が逆上して「収入もないくせに!」と、キレて来た時がチャンス!
くらいに思って証拠を集めちゃいましょう。
(7)思い切って離婚しましょう
前でも述べたように、モラハラ夫は人格障害の1つなので、カウンセリングなどで改善させることは困難です。
自分の心と体が疲弊する前に離婚することをお勧めします。
子供のことなどで悩まれる方もいますが、モラハラ夫の元で育った子供はモラハラ気質が備わってしまいます。
子供のためにも距離を置くことが大切です。
ただし、離婚を実行できるだけの経済的精神的な自立が必要です。
そのためには少しずつ準備する必要があるかもしれません。
勢いあまって飛び出すことは賢明ではありません。
現在は、市や民間団体などで様々な支援を行っていますので、1人で悩まずにまずは相談してみましょう。
1生に1度の人生です。
死ぬまでモラハラ夫と過ごすより、離婚して新たなパートナーを見つけた方が人生を豊かに過ごせるのではないでしょうか。
なぜ「モラハラ夫」になってしまうのか
「モラハラ夫」は一種の人格障害者です。
「外面は良いなどの二面性を持っている」「計算高く、依存性が強い」など様々ですが、本人に自覚が無いことが多いので、本人も気付いていない間にモラハラをしてしまっているかもしれません。
では、何がきっかけで「モラハラ夫」になってしまうのでしょうか。
その原因をまずは探ってみましょう。
原因は大きく3つです。
モラハラ夫になった原因
(1)幼少期の家庭環境 (2)高いプライドと極度のコンプレックス (3)エリート意識 |
幼少期の家庭環境
「親からモラハラを受けて育った」
「母に過保護に育てられた」
「ネグレクトの家庭で育った」
など幼少期に受けた影響が大きく関係していると言えます。
親からモラハラを受けて育てばそれが当たり前の人間関係になります。
子どものころに過保護やネグレクトの家庭で育てば、人の痛みが分からないまま大人になります。
また、実家の父親が母親に対してモラハラをしていると、息子たちが同じようにモラハラするパターンはよくあることです。
このように幼少期に
「人の痛みが分からない」
「人を見下す」
「人を信用できない」
などのようなことを経験してしまうと相手よりも自分を大切にするモラハラ夫になりやすい傾向にあります。
育った家庭環境が大きく影響します。
「高いプライド」と「極度のコンプレックス」
モラハラ夫の特徴は大きく2つあります。
それは「高いプライド」と「極度のコンプレックス」を持っていることです。
例えば、「頭は良い、お金持ちなのにルックスがイマイチ」など、どこにでもいそうなタイプですが、モラハラ夫になる方はこの2つが極端に吐出しています。
この2つの特徴から「自己愛性」=「ありのままの自分を愛せないこと」が見えてきます。
つまり、自分を愛せないため、周りを見下し、弱者にすることで自分の安定を保っているのです。
モラハラ夫は自分の一番身近である妻でさえも、気付かないうちにモラハラをすることで優越感持ち、安定を保っているのかも知れません。
エリート意識
幼少期から秀才で有名大学を卒業し、生涯で1度も怒られたことがない、否定されたことがないという方もいるかも知れません。
そのようなエリートタイプはモラハラ夫になりやすいです。
否定されないまま生きてきてしまうと、世界は自分中心に動いていると勘違いし、自分には甘く、相手には厳しくする言動が多く見られます。
「バカ」などの暴言をすぐに吐いて攻撃したり、周りを見下し、難しい言い回しを使って相手を丸め込もうとする人はモラハラ夫になる予備軍と言っても過言ではありません。
どこからがモラハラになるのかチェック項目
結婚をして、2人きりの生活が始まり、些細な事で喧嘩をすることはよくあります。
それがいつしかモラハラを受けている。
そんな「加害者」と「被害者」の関係性になっていませんか?
人によって受け方、感じ方は十人十色です。
しかし夫婦は対等な立場でなければいけません。
以下の項目で少しでも思い当たる節があれば、モラハラを疑ってみてください。
モラハラに該当する具体的なセリフも参考にしてください。
モラハラ夫チェック項目
●人格を否定される (具体的なセリフ) 「だからおまえはダメなんだ」 「君の思考回路は理解不能」 ●思いやりがなく家事育児に縛り付ける (具体的なセリフ) 「子育てはお前の仕事だ」 「遊びに行くって何時まで遊んでるんだよ」 ●自己中心的 (具体的なセリフ) 「それって将来、俺にプラスになることある?」 「俺は君と違って付き合いがあるから仕方がないんだ」 |
人格を否定される
夫婦ケンカをする際に、お互いの悪い個所を言い合うことは改善してもらいたい意図があるからです。
しかし人格を否定することには、メリットも意図もありません。
「だからお前はダメなんだ」「君の思考回路は理解できない」などはただの嫌がらせです。
思ったことをすぐに口にしてしまい、相手のことを思いやる言い回しなどがモラハラ夫には出来ません。
言われ続ける被害者にとっては、まるで存在価値がないかように感じ、怒りを通り越して、どんどん追い詰められていきます。
妻である人間として扱ってもらえないようでは、日々強い精神的ストレスを感じてしまいます。
思いやりがない
結婚する前はたくさんの愛を注ぎ、あなたに尽くしてくれますが、結婚した途端、釣った魚にエサはやらないというのがモラハラ夫の特徴です。
結婚すると妻はモラハラ夫の「所有物」扱い、ひどい場合には「奴隷」扱いとなってしまうため、「子育てはお前の仕事だ」「遊びに行くって何時まで遊んでるんだよ」など育児や家事は妻に任せっきりな上、少しの外出も許さない束縛が強い傾向にあります。
モラハラ夫は自分しか興味が無いので、妻に対して労いや感謝の言葉は一切ありません。
自分中心的
モラハラ夫は口がうまく、常に世界が自分中心に回っているため、「それって将来、俺にプラスになることある?」「俺は君と違って付き合いがあるから仕方がないんだ」など妻を見下し、都合よく言いくるめられることが多いです。
うまくいっていないことを妻のせいにし、理不尽なことで責められ、自己中夫の都合の良い存在になっていませんか?
まとめ
私の夫はモラハラ夫なのか。
モラハラを受けてどうしたら良いか分からない。
精神的な暴力で心が折れてしまった。
など程度は様々ですが、モラハラ夫に悩んでいる方は年々多くなってきています。
昔からモラハラ気質を持った夫は存在していましたが、当時は多くの女性がそれに耐えるしかなかったように思います。
しかし現在は「モラルハラスメント」という言葉が広まっているように少しずつ社会でも認められるものになってきました。
また離婚することも大した問題では無くなってきています。
モラハラ夫で悩んでいるのはあなただけではありません。
同じような境遇の方に出会えれば、心も強くもなります。
1人で悩まずにまずは相談してください。
最後に、相談する先を4つご紹介します。
電話によるカウンセリング |
専門家が電話によるカウンセリングを行ってくれます。夫婦関係の修復アドバイスから離婚の相談まで幅広く対応しています。
内閣府男女共同参画局のDV相談ナビ |
全国共通電話番号(0570-0-55210)から最寄りの相談窓口に電話が自動転送され、直接相談することができます。配偶者からの相談先がわからない人向けの公的サービスです。
配偶者暴力相談支援センター |
モラハラを含めた配偶者による暴力を支援してくれます。
相談、カウンセリングのほか、安全確保や一時保護などの行っています。
弁護士 |
離婚を考えている場合は、相談することで裁判所に保護命令の申し出ができたり、離婚の進め方をレクチャーしてもらえます。
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