選び方から失敗しないポイントまで 小学生[読み聞かせ]のコツ ~中学年編~

■この記事を書いた人
kope
専門雑誌編集者を経て、2人めの出産を機にフリーエディターに。フラと校正が趣味。字を書くこと、人と話すこと、コーヒーが好き。

みなさん、小学校の読み聞かせボランティアをされたことはありますか?

来年度、初めてお子さんが入学される方も、きっと話には聞いたことがあると思います。

PTA役員活動よりは拘束時間が少なく、子どもたちと直接触れあえるのが[読み聞かせ]。

文字通り、クラスの子どもたちに絵本を読んで聞かせるものです。

主婦へえでは、『低学年読み聞かせのテッパン 実証済み!「ウケる」絵本7選』で
実際に低学年の読み聞かせで好評だった、爆笑する絵本を紹介しました。

今回は、ギャングエイジと言われる中学年(3、4年生)に向けた「読み聞かせ」のコツを紹介します。

「絵本なんてつまんない」
「それ読んだことある~」

など、素直に聞いてくれないこともあるのがこの年齢。

でも本当は楽しみだったりする、まだまだかわいい8、9、10歳です。

低学年とも高学年ともちょっと異なる、中学年に向けた読み聞かせ本の選び方のコツや失敗しないポイントも紹介します。

読み聞かせ本の選び方は「わかりやすさ」

中学年のお子さんに向けた読み聞かせボランティアは、すでに低学年から続けている方が担当されるケースが多いと思います。

また学校によっては、読み聞かせに行くクラスが我が子のクラスとは限らず、いろんなクラスに振り分けられたり、急な担当者の欠席で、自分の子どもがまだ低学年でも、突然中・高学年のクラスに行くことになったり・・・なんてこともあるかもしれません。

まず、全学年に共通する[読み聞かせ絵本の選び方]をあらためてまとめてみます。
ポイントは3つです。

読み聞かせ本の選び方のポイント(1)絵が大きく、見やすい本

読み聞かせは多くが各クラスで行われます。

机を後ろに下げ、床に半円状に座ったり、椅子だけ残して座ったり、形式はいろいろですが、30人以上の子どもを相手に読み聞かせる場合がほとんどです。

そのため、後ろの子まで絵が見えることが大前提です。

読み聞かせ本の選び方のポイント(2)絵がはっきりして、ストーリーが分かりやすい本

読み聞かせはクラス単位など、30~40人を前にします。

なかには聞かずにおしゃべりしていたり、ケンカしだしたりというハプニングもあります。

ざわざわして、ちゃんと聞こうとしいている子が聞こえないこともあります。

でも「そこ、もう一回読んで」という子はまずいません。

一瞬聞き逃してもついていけるような、絵とストーリーが合っている本だと子どもも引きこまれます。

読み聞かせ本の選び方のポイント(3)自分や自分の子どもが好きな本

自分も好きな本だと、やはり読んでいて楽しいものです。

また、我が子が好きな本は、たいていどんな子どもにも受け入れられます。

家にある絵本で十分ですが、
「そんなに自分が好きな絵本なんてそう何冊もない」という方も、事前に図書館などへ借りに行き、何冊か手に取って読んでみてください。

おもしろいな、と思った本を借りて行けば大丈夫です。

ちょっとかさばりますが、紙しばいコーナーで探してみるのも、新鮮な発見があり、おもしろいですよ。

中学年はギャングエイジ。失敗に落ち込まないのが肝心

中学年の読み聞かせ現場はシュールです。

ちゃんと座っている子もいれば、「読み聞かせなんてつまらない」オーラ全開の子もいるし、うしろで小競り合いしている男子2人組や、それを席につかせようとして大声を出している日直さんやしっかりタイプの子など、さまざまです。

「わざわざ時間を割いていったのに、全然聞いてくれなかったな…」という日もあります。

筆者もそんな経験はよくあります。でも、どんな反応でも失敗したとは思わないでください。

今日は絵本2冊読んで帰ればいいんだ、と割り切ってもいいくらいだと思っています。

子どもの顔が見られた、友だちの顔が分かった、というだけで十分です。

何回か行っていると、先生に顔を覚えてもらえ、いろいろ相談もしやすくなるという効果も実感しています。

中学年[読み聞かせ]におススメ絵本5選

ここからは、中学年におススメのおもしろい絵本を紹介します。

読み聞かせボランティアが始まる5月に最適
『とらのこさんきょうだい かえうたかえうた こいのぼり』

(講談社BOOK倶楽部より)
石井聖岳 作
講談社

読み聞かせはクラスの役員が決まり、最初の懇談会以降など、5月のゴールデンウィーク明けくらいから始まることが多いようです。

この本はこいのぼりがテーマなので読み聞かせに向いている時期がかなり限定されますが、新年度まだクラス内がまとまっていないころでも、一緒に盛り上がれるウケる絵本です。

最近はこいのぼりを飾る家庭も減りましたが、「やねよ~り~た~か~い こいの~ぼ~り~」という歌は、今の子どもたちでも歌える曲ですよね。

トラの3兄弟の家にも、お父さんがこいのぼりを飾ってくれます。

うれしくなったトラの3兄弟もこの歌を歌いますが、うれしすぎてオリジナルの替え歌にしてしまいます。

お父さんに替え歌をほめられてうれしい3兄弟。

どんどんおもしろい(ありえない)こいのぼりの替え歌を作り、聞いている子どもたちはつっ込みっぱなしです。

文章になっていない小さな文字で、ありえないこいのぼりのネタが詰め込まれています。

もしご自身で購入された場合、「置いていくから見てね」というと、子どもたちも喜びます。

あなをほって宝物を探すのは小学生のロマン
『サムとデイブ、あなをほる』


(あすなろ書房ホームページより)
マック・バーネット 文
ジョン・クラッセン 絵
なかがわちひろ 訳
あすなろ書房

「あ~あ」「そっち~!」という声があちこちで上がる1冊です。

主婦のみなさんが子どものころ、ドリフターズの番組を見てませんでしたか?

いかりや長介さんが志村さんを探しています。

会場中の子どもたちが「あっち~」といって指さした方向に振り向くと、志村さんが隠れる。「いないじゃないか!」なんていうテッパンのやりとりがとてもおもしろく、今でも目に浮かびます。

穴を掘り続けるサムとデイブが、まさにそんな感じです。

ちょっとの差でお宝を逃していく…。

低学年でも中学年でも読み聞かせでも使用しましたが、どっちも同じ反応でした。

むしろ、読み聞かせ慣れした中学年の方が真剣に突っ込んでくれたように感じます。

クラスの子がウケている点や、声を出して参加できるところが、ギャングエイジの心をつかんだようです。

色彩がはっきりしてインパクトが強い読み聞かせ向きの絵本
『キャベツくん』


(文研出版ホームページより)
長新太 文・絵
文研出版

多くの方が利用してる読み聞かせ定番のような絵本です。第4回絵本にっぽん大賞受賞作。

長新太さんの独特の色彩がとてもきれいで目を引きます。

簡単に言ってしまうと、黄色と青色と緑色しか使われていません(緑色は黄色と青色でできるのですが)。

お腹のすいたブタヤマさんとキャベツくんの会話で話が進んでいきます。

毎ページ、ブタヤマさんが「ブキャ!」と驚く声が爆笑ポイントです。

表紙裏にある「作者のことば」が、この絵本はひらがなで書かれています。

子どもに向けて語りかけているような内容ですので、読んであげてもいいかと思います。

(Amazonより)
マージェリー・カイラー 作
S.Dシンドラー 絵
黒宮純子 訳
らんか社

前回の記事[ウケる絵本]で紹介できなかった絵本の1つです。

クラス中が爆笑という表現がふさわしい一冊。

がいこつと言えば怖いものですが、最近の子どもたちはアニメ・ワンピースのブルックでも愛嬌のある描き方をされていてなじみがあり、おもしろいモチーフ。

表紙からして「あ~、お水こぼれちゃうよ!」と突っ込まれます。

しゃっくりを止めようとする方法は、私たちも思いつくようなシンプルなものなのですが、がいこつがやるから笑ってしまうという、毎ページにツッコミどころがある展開で、中学年も高学年でも単純に笑えます。

朝の読み聞かせから大笑いして元気が出る一冊です。

小学生がウケるツボにピッタリの展開が続く絵本
『へびのせんせいとさるのかんごふさん』

穂高順也 文
荒井良二 絵
ビリケン出版

どうぶつ村の病院には、さるのお医者さんと、看護婦さんのへびがいます。

へびの看護婦さんは一度診察がしてみたくて、さるの先生に相談します。

超優秀な看護婦さんなので、じゃあ一日代わってみようと先生も承諾してくれました。

先生が代わりに看護婦さんの仕事をするのですが…。

先日も中学年(3年生)の教室で読んできました。

興味がなさそうに教室の後ろの方で私語をしていた男子2人組も、荒井さんの絵本らしからぬ題字と絵にまず興味を持ち、みんなのつっこみや爆笑につられて、いつの間にか座って聞いてくれていました。
しだいに、次の患者さん(もちろん動物です)がやってくるだけで笑い出す子もいました。

中学年の読み聞かせは「参加型」がカギ

正しい読み聞かせは決してウケ狙いでもなく、爆笑ありきでもないかもしれません。

読後に何かしら考えてもらえなくても、あえて大げさに声色を変えなくてもいいとも言われています。

図書館のブックアドバイザーさんによれば、「声色を変えるのも、やりすぎると子どもがおいていかれてしまいます。同じ声でも大丈夫です」とのこと。

しかし、実際の現場(笑)は、それで聞いてくれる子、お話に入り込める子と、つまらないと感じている子がいる気がします。

なぜなら、最初から「ちゃんと聞こう」としている子ばかりではないからです。

そんな子が特に多い中学年は、筆者の経験ではやはり「おもしろさ」はカギになると思います。

単におもしろいだけでなくつっ込めるような絵本を読むと、子どもも受け身ではなく自然と参加でき、クラス中に一体感が出て盛り上がります。

中学年[読み聞かせ]対策の奥の手は「手あそび」と「先生の協力」

ブックアドバイザーさんに、なかなか手ごわい中学年読み聞かせのマル秘テクニックも教えてもらったので紹介します。

① 手あそびに挑戦する

どんな本を選んでも反応が薄いような日や落ち着かないクラスもあると思います。

そんな場合、まだ試したことはないのですが、実は手あそびを取り入れるといいそうです。

小学生に手あそび?と思うかもしれませんが(私もそう思いました)、最初から席についていない子がいるような中学年世代は、最初が肝心ということで、手あそびを導入する方法があるそうです。

手あそびとは、「グーチョキパーで、グーチョキパーで何つくろ?何つくろ~?」というあれですね。保育園や幼稚園で先生がやっている、子どもたちに人気のあそび歌です。

『てあそび.COM』というサイトに、いろいろな手あそび動画が紹介されています。

私もブックアドバイザーさんに教わり、さっそく見てみました。

これが導入にできれば、どんな小学生も集中できることまちがいなしです。

問題は歌を歌うという読み聞かせ以上のテクニックを必要とする点。

でも爆笑まちがいなしの手あそび歌もあります。

一度見てください。

② 先生に協力してもらい、事前に本を選んでもらう

ズバリ担任の先生に協力してもらうというのも手です。

クラスでこんなことがあった、朝の会でどこどこへ旅行したという話をした子がいた、などクラス独自の話題やブームなどからヒントを得たり、協力いただけるならば事前に数冊の絵本を用意していただき、次回の読み聞かせで読んでもらいたい本を選んでもらっておいたり、という手もあります。

筆者の子どものクラスでは、担任は国語が専門とは知っていましたが、実は司書教諭の資格を持っていた、ということがありました。そうでなくともきっと協力してくださいますよ。

読み聞かせに向かない絵本は「長すぎる絵本」

最後に、読み聞かせに向かない本があるかを考え、そして失敗しないコツをまとめてみましょう。

筆者がこれまで経験した読み聞かせに向かない本はほとんどない、というのが実感です。

ウケる、ウケないは失敗や向き不向きとは異なります。

どんな本でも、じっくり読めばよいのです。

ただ、一度「これは向かない」と経験上感じた本を紹介します。

ズバリ、[字が細かくボリュームが多い本]です。

筆者の経験した読み聞かせの悲しい事例です。

その日のパートナーだった方は、ハーフのクラスメイトの保護者さんで英語の本を持ってきていました。

私は英語が分からないのですが、英文はそんなに時間がかかるのか、とにかく終わらない!

私がわからないだけで、もしかしたらフリートークしていたのかもしれません。

面識はないものの2番手の私がいることを知っているはずですが、その1冊で読み聞かせ時間の15分が経ってしまいました。

私は持ってきた本を、読まずに持ち帰ったことはいうまでもありません。

1人で担当する場合は長めの絵本でも大丈夫ですが、2人体制の場合、先に読めば次の人に回らず、2番目に読むと、時間が超過して先生に迷惑をかけてしまいます。

それほど長い本ではなくても、緊張してつっかえたりすると長くなる場合もあります。

一人の場合でも、時間超過は「先生が来ちゃう!」と、子どもが気にする場合があります。

誰もが読み聞かせを失敗しない簡単なコツは、

・家で読んでみて時間を測ってみる
・スムーズにめくれるよう開きぐせをつけておく(図書館で借りた本はつけすぎないよう注意)
・まさかの本かぶりや、相手の本のボリュームにそなえて2冊用意していく

上記3つの失敗しないコツをふまえて、ぜひ楽しんで読み聞かせしてきてください!


低学年向け読み聞かせのコツは

低学年読み聞かせのテッパン 実証済み!「ウケる」絵本7選
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