防災の備えと言えば、備蓄や非常持出し袋などを思い浮かべやすいものです。
でも、まずは「生きている」ことが前提でなくては、意味がない。
そのための安全確保であったり、
連絡手段や避難についての情報の確認が重要でした。
被災したけれど、家族みんなの無事が確認できた。
そうして、ようやく避難生活になるわけです。
その時に何があればよいか?何を用意しておくべきか?
水や食料を備蓄している主婦の割合は?
防災準備というと、ものを備えるというイメージがありますね。
実際はどのような準備をしているのでしょうか?
全体の6割を超えていた「水や食料などの備蓄」。
では、水と食料どちらも準備しているのでしょうか?
「水も食料も備蓄している」は6割以上。
水は備蓄しているが約3割で、備蓄している人の90%以上は水を確保しているようです。
ここ最近、ウォーターサーバーを置く家庭が増えたことや、
飲料水を購入している人が多いからかもしれません。
水用のタンクは準備できている?
水を入れる入れ物を準備している家庭は約4割。
東日本大震災でも淡路大震災でも、地震後の水の確保に困っています。
断水前に水を入れておく、給水車が来た時に水をいれてもらう、
そのための入れ物がなくて困ったという声は多く見られます。
折りたたんでおける水タンクなどは1000円前後でも購入できるので、
1つくらい常備しておきたいですね。
様々なタイプがあり、10リットルの折りたたみタンクなら、700円くらいからあります。
携帯ラジオは?
携帯ラジオを持っている人は半分弱。
今は携帯やスマホで情報が得られるからでしょうか?
昔は家にだいたいラジカセやCDプレイヤーがあって、
それにラジオもついていましたが、今はないことが多いですよね。
携帯やスマホは充電がなくなれば、使えません。
その点、ラジオは電池で使えます。
東日本大震災で被災した方々には、正しい情報をいち早く得るのに、
ラジオは非常に役に立ったと答えている方を多く見ます。
ラジオをつけっぱなしにしておくことで、常に情報をキャッチできたことは、
不安な避難生活では大きかったようです。
簡易トイレは?
実際に購入している人は2割。
購入を検討しているのは、熊本地震の影響でしょうか?
熊本地震でも、避難場所のトイレの問題は報道されていました。
国崎さんも「トイレは自分で用意する」ことをオススメしています。
自治体の仮設トイレの設置基準は100人に1基だそうで、
1人排泄時間を2分としたら、100人並んだら3時間待つことになります。
トイレに並ぶだけで、1日が終わってしまいますよね。
避難所だけでなく、自宅避難の場合も簡易トイレなどは必要だと言われています。
断水していたら、水洗トイレは使えません。
地域にもよると思いますが、東日本大震災では水道の復旧に1か月くらいかかっていたようです。
小学生以下のお子さんにとって、トイレをなるべく我慢しなさいというのは難しいですし、
体にも悪いですね。
食料の備蓄や管理について専門家に聞いてみました!
避難生活で必要な食料の備蓄やその管理について、
国崎さんはどのようにされているんでしょうか?
また、防災の備えは一度すれば終わりではありません。
国崎さんはどんな工夫をして継続しているのかにお聞きしました。
──私がというか、みなさんも苦手だと思うんですが、食品とか防災用に買い込んでも、定期的に見直さなきゃいけないもの、ありますよね。賞味期限であったり、そういったものは、国崎さんは、普段からチェックできたりしているんでしょうか?
正直、私も非常持ち出し品の期限は忘れることがありました。なので、9月1日の防災の日を点検の日と決めています。 また、被災生活は自宅で過ごそうと備えているので、日常の食材を1ヶ月くらい買っておいて、使ったら足してつねに一定量を確保するようにしています。
──じゃあ、非常でも通常でもだいたい1ヶ月分の食料が、家にストックされていると?
そうです、そうです。
──日常に落とし込んでいるので、特別な感じがしないってことなんですね。
日頃から普段の食材を災害時にも食べ続けようと思っています。カセットコンロさえあれば、何でも調理できると思っているので。
──確かに!ガスが止まっても大丈夫ですね。カセットコンロはマストですね。
カセットコンロと替えのガスボンベは必ず用意してありますね。
──食料の備蓄など普段の生活の中でできるものはありますが、防災についてやり続けることって、なかなか難しいですよね。
私が(防災について)、継続できたのは、楽しみを見出したからですね。
例えば、掛け時計が壊れて買い換えようと思った時、
直接壁に貼るタイプの時計をみつけたんですね。
時計の針と数字だけ壁につけるものですね。
モダンで、デザイン性もあり、インテリアと防災が両立するものをみつけるとうれしくなります。
防災のために不便を我慢したり、あれもしなければならないと気負ったりするのではなく、
毎日の習慣やちょとした楽しみをもちながらやってこられたことが大きいと思います。
私がやればやるほど、自宅も家族も安全度が高まっていくという達成感がありますし、
やってみて実感したことは防災を意識した生活でとても暮らしやすくなったということです。
それから、普段はあまり缶詰を買わないのですが、防災の準備を意識してから、
ちょっと高級な、たとえば明治屋のラ・フランスやさくらんぼの缶詰を、災害時の楽しみとして買って備蓄しています。子どもにも災害時に食べる楽しみをもたせています。
食には子どもの心を癒す力があります。
非常時にこそ、子どもが喜ぶ特別なおやつを用意してあげたいですね。
美味しい食べ物は心を癒す力があります!
──その考え方、すごくいいですね。
災害時の時ほど日常の大事なこと、食べる楽しみですとか、
快適さを大切にすることによって気持ちがラクになりますよね。
災害時だからと言って、何でも我慢するのではなく、
快適な環境づくりといったことが、災害にあった時にこそ、
一番差が出る所なんだろうなあと思いました。
こういう時は子どものことを思って、
少しでも快適な環境っていうのは、とても共感しました。
子連れ防災まとめ
4回にわたって、子連れの防災の備えについて考えてきました。
これらは防災について、ちょこっとずつ考え方をつまんでいるに過ぎません。
ここで書かれていることをすべてやったとしても、万全な準備にはならないと思います。
なぜなら、防災に必要なことは、それぞれの家庭の構成や環境などによって変わるからです。
最初に国崎さんがお話しして下さった「イメージをもつ」ことが大切です。
国崎さんがオススメする
地震の被害について書かれた本、今後の地震発生について書かれた本、
そして、防災についての本を読み、
地震が起きたらどんなことが起きるのか、
どれくらい真剣に考えなくてはいけないくらい、地震が起こる可能性があるのかを知り、
どうすれば、家族の命を守れるのか考えることが、
防災のスタートなんですね。
もし、3冊も読むなんてムリと思うのであれば、
まずは『子連れ防災手帖』を読んでみることをオススメします。
イラストが多くて読み易いだけでなく、
東日本大震災の大きな揺れがあった時、どんな状況で、
どれだけ何もできないものなのかがリアルに描かれています。
私が防災について興味を持ち、
子どもがいるんだから何かしないといけないのでは?と
焦る気持ちになったのはこの本がきっかけでした。
そして、国崎さんの『巨大地震から子どもを守る50の方法』を読んで、
防災について目からウロコが落ち、今回お話を聞かせていただきたいと思ったのでした。
こちらの本も非常にわかりやすく書かれてますので、
家事、育児、仕事などに忙しいお母さんたちにオススメです!
いつ来るかわからない地震。
しかし、この日本において大地震はいつどこで起きてもおかしくないのです。
大事な家族を守るために、できることを楽しみながら、コツコツやっていきましょう!
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