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準備できていますか?子連れ防災の備え
前回は、地震が来た時にまずは身を守るために備えること、
家の中の安全空間の確保について考えました。
そして、一気に準備するのは難しいので、「ついで」に「コツコツ」やっていく、
「ついで防災」「コツコツ防災」について、国崎さんに教えてもらいました。
地震が起きた時、家族全員が家にいるとは限りませんよね。
お父さんは会社、お母さんは家にいる人もいれば、仕事をしている人もいますね。
買い物中ってこともあるし、通勤中なんてことも。
子どもたちは学校や幼稚園、保育園、もしくは友達の家?それとも公園?
登下校の途中ってこともあります。
家族が一緒にいない時にどうやって連絡をとるのか?
連絡が取れなかった時は、どうやって会えるようにするのか?
集合場所や避難場所は?そこに行くまでのルートは?
様々な状況を想定していますか?
家族みんなの身を守るために必要な「情報」について考えてみます。
災害時の連絡方法は
LINEが電話とほぼ同じ数字であるのを見ると、
いつも使っている連絡方法が反映されている感じがします。
「災害伝言ダイヤル」や各携帯会社の災害アプリは、
熊本地震の後にCMがたくさん流れたり、TVでも紹介されたせいか、
思ったよりも知っている人が増えている気がしますね。
実際、地震が起きた時の被災状況が書かれた本や、防災の本を読むとわかりますが、
大きな地震が起きた直後は電話が繋がりにくくなります。
それに対して、ネットを使った連絡方法、災害伝言ダイヤルや
LINE、FACEBOOK、ツイッターなどのSNSは機能していたようなので、
電話がつながらなかった場合はそちらを使うとよいですね。
家族の間では、何を使って連絡を取り合うかを決めて確認しておくことが大切。
電話が繋がらないから、お父さんはFACEBOOKに安否情報を入れても、
お母さんは災害伝言ダイヤルにメッセージを入れていて、
お互い気がつかなかったら意味がありませんよね。
避難ルート・避難方法は
避難場所については、9割以上の人が確認しているようです。
しかし、7割の人は安全な行き方を知らないとのこと。
東日本大震災では避難の仕方によっては、津波に遭ってしまい、
逃げることができなかった例がありました。
また、自宅からのルートだけではなく、各自がいると予想できる場所からの避難ルート、
そして避難方法を確認し、家族で確認しておく必要がありますよね。
いざという時に、正しい判断ができるとは限りません。
普段から様々な状況を想定した避難場所や安全に逃げられるルートを調べておけば、
とっさの時にもすぐに判断して行動することができます。
災害時、保育園・幼稚園・小学生ママはどう対応したらいい?
約6割のお母さんは保育園や幼稚園、小学校の対応を把握していますが、
2割弱のお母さんは知りません。
いざという時にわからないと、「子どもは無事だろうか?」と不安が募りますね。
また、働いているお母さんであれば、仕事場から迎えに行くのに、
交通機関がストップして、すぐに行けないこともあります。
しかも保育園や幼稚園、小学校とも連絡が取れない、
そんな場合にどうするのかを確認しておくと安心です。
決めていないと答えたうち、0~3歳児のみの家庭は36%で、
4~6歳は10%、小学生以上のお子さんがいる家庭は14%でした。
0~3歳児のみでは、「まだ話してもわからないから」「ずっと一緒にいるから」という意見で、
確かにお子さんと話し合っておく必要はまだなさそうです。
4~6歳のお子さんでは、
「保育園(もしくは幼稚園)か自宅なのでまだ必要ない」といった意見が多くみられましたが、
そうではない状況もあるかもしれませんから、
お子さんに話しておくことは大事かもしれません。
また、小学生のお子さんがいるお母さんから、
「『災害時は家か学校にいるもの』という勝手な思い込みがあり、
このアンケートで『そうとばかりは限らないんだ…』と、かなり考えさせられました。」
「携帯電話を持っていない子どもと災害時にどうやって連絡を取るか、今晩にでも家族で話し合いたいと思います。」と言った意見も見られました。
子どもの防災意識は教えるより感じ取ることが大事
子どもと災害時について話し、防災についての理解を持たせると言っても、
なかなか難しいのが現状ではないでしょうか。
小学生以下のお子さんをお持ちのお母さん方は、
まだまだ話してもしっかりわかる年齢ではないので、
どうやって防災について話していったらよいか悩んでる方も多いと思います。
国崎さんは3人のお子さんにどのようにお話されているのでしょうか?
──国崎さん自身、防災のお仕事をしているので、
お子さんへも防災マニュアルなどについてはお話しされて、理解されているんですよね?
私自身がこのような仕事をしているので、
子どもたちにも地震の時はああしましょう、こうしましょうと教えていると
思われていますが、じつはあまり言ってません。
私が心がけたことは、防災の講演会や研修会に、
積極的に子どもたちを連れて行ったことです。
──お母様がお子さんに直接伝えるというよりかは、
そういう場所に連れていって、一緒に学んだということですか?
そうです、そうです。防災センターなどへ一緒に出掛けてともに学びます。
そういう機会をつくることで、
子どもたちも防災の重要性を感じ取り、話に素直に聞くというところがありました。
東京臨海広域防災公園 そなエリア東京
──最初からそのようなお考えでされてきたんですか?
ハイ、親から強制的にああしなさい、こうしなさいと言うと、
反発してしまうところもあろうかと思うんです。
まあ、それは親子関係の甘えと言うところもあるでしょうし。
そこは、命に関わる大事なことなので、
第三者の講和や、公的な機関の施設を利用して、
子ども自身の興味や関心ごととして捉えてくれたらいいなと思いまして。
──それは素晴らしいアイディアですね。
その通りで親が言っても反抗して、聞かない時期もありますし、
客観的に伝えることで、とても大事だと自分で感じとることできますよね。
ハイ、親の知識の偏りということもあろうかと思いますので。
子どもたちのお気に入りの本は私の著書の「ぼくのまちに地震が来た」と「じしんの絵本」です。繰り返し読んでくれています。
子供向けの防災絵本で楽しみながら学ぶ
防災についての子供向けの本も出されているんですね!
子どもも絵本なら、興味を持ってくれますよね。
ましてや、お母さんが作った本なんて素敵です。
ぜひ、ウチでも取り入れたいです。
名古屋裕・国崎信江・目黒亀美郎著
『ぼくの街に地震がきた―大震災シミュレーションコミック』 ポプラ社
国崎信江著・目黒公郎監修 『じしんのえほん―こんなときどうする?』 ポプラ社
一緒に学び、子ども自身が感じて、考えてもらう。
子どもは親が口うるさく言えば、言うほど聞かないものですから、
一緒に学ぶというのはとてもいいですね。
国崎さんの著書『巨大地震から子どもを守る50の方法』でも、
家族で話し合って「わが家の防災マニュアルを作る」ことや、
地震・避難生活を体験しておくことなどについて、わかりやすく書かれています。
また『子連れ防災手帖』では、親子防災と言う章で、
小さな子どもでも取り入れやすい様々な防災準備を紹介しています。
例えば、家族ルールを作ることや防災ごっこや防災ピクニックのススメなど、
遊びのように取り入れて、楽しみながら学ぶようにすれば、
小さいこどもでも自然に防災に馴染むことができます。
ママプラグ著 『災害時に役立つサバイバル術を楽しく学ぶ 防災ピクニックが子どもを守る!』 KADOKAWAメディアファクトリー
また、親子で読みながら学べる本もいろいろ出ていますし、
大きな書店では子どもの本の売り場に、
「災害・地震」などのコーナーが設けられている所もあります。
地震イツモプロジェクト著『親子のための地震イツモノート キモチの防災マニュアル』ポプラ社
災害について「イメージする」。
被災した時の自分や家族の状況をリアルに、そして事細かに、
考えうる状況をすべて想定すれば、何を準備するべきなのかがわかりますね。
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