いざという時の準備、していますか?今こそ!子連れ防災の備え

準備できていますか?子連れ防災の備え

4月に起こった熊本大地震。
まさか、九州で!と思った人も多いかもしれません。
日本のどこにいても地震は避けられないのかも。
いざという時の準備、していますか?
何をすればいいのかわからない・・・、そんなママさんは多いはず。
子どもがいる場合では、防災対策や避難方法、
避難グッズの中身など、注意すべき点が変わってきますよね。

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つながる.Com著『被災ママ812人が作った子連れ防災手帖』メディアファクトリー

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ママプラグ著『被災ママ812人が作った子連れ防災実践ノート』メディアファクトリー
「子連れ防災」という言葉を知っていますか?
東日本大震災後、子どもと一緒に被災したママたちの声を集めた
「子連れ防災手帖」という本が出版され、「子連れ防災」という言葉が注目されました。
「子連れ」で被災した時に、何が必要で、どんな準備をすべきなのか、
これまでの経験を生かした防災対策が広がっています。

主婦へえでは、子どもを持つママさん100人にアンケートを実施しました。
そして、危機管理アドバイザーで子どもを持つママであり、
「巨大地震から子どもを守る50の方法」の著者国崎信江さんにインタビュー!
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そこから子連れ防災の観点で、どんな備えが必要なのかを考えてみます。

地震前後でママ達の防災意識はかわった?

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十分備えている人はたった一人。
ある程度備えている人は全体の約40%で、
半数以上はほとんど準備していないようです。

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では、準備をした時期を聞いてみると、
東日本大震災の後に備えたという人が、全体の約30%。
熊本地震が起こってからという、つい最近に10%の人が行動に移しています。
やはり、大きな地震が起きて、被害の様子をTVで見たり聞いたりすると、
「ウチも準備しなきゃ!」という気持ちになりますよね。

しかし、きっかけがあっても、やっぱり用意しなかった人は、半分以上。

こんな話があります。
新潟中越地震は2004年と2007年の2回起きていますが、
その地域に住む6割以上の人が、
1回目の地震の後に「何の備えもしていなかった」そうです。
地震の教訓が生かせるはずの地域でも、こうなのですから、
ましてや、被害にあったことのない地域であれば、
なかなか備えが出来ないのもムリないのかも・・・。

防災グッズや備蓄・避難経路の確認はしている?

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「水や食料などの備蓄」は、普段の生活の中で、
少し多めに買っておけばいい手軽さからか、多くの人が実行しているようです。
同じ「モノの準備」でも、「非常持出し品」まで準備できている人は、少なくなりますね。
日常の生活で使うものではなく、「わざわざ」揃えなくてはいけないからでしょうか。
避難場所や避難経路の確認なども行っている人は、他の項目の準備もしているようです。

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でも、まったく準備していない場合、
何から手を付けていいのかわからないという人も多いのでは?
防災の専門家で『巨大地震から子どもを守る50の方法』など多くの著書を持ち、
ご自身も3人のお母さんである国崎信江さんに防災について大事なことをお聞きしました。

専門家にお聞きしました

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国崎信江さん
危機管理アドバイザー・危機管理教育研究所代表

HP http://www.kunizakinobue.com/

女性として、母として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱し、文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。また、NPO国境なき技師団の一員として、海外での防災教育活動なども行っている。現在は講演活動中心に、テレビや新聞など各メディアでも情報を提供している。主な著書に『決定版!巨大地震から子どもを守る50の方法』(ブロンズ新社)、『サバイバルブック―大地震発生その時どうする?』(日本経済出版社)、『マンションみんなの地震防災BOOK』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。

防災準備、何から始めたらいいの?

──お子さんがいる主婦100人に聞いたアンケートなのですが、
ある程度備えているという方は4割、
一番多い防災準備も「水や食料の備蓄」がそのうち6割なんですが、
防災準備としては国崎先生はどう思われますか?不十分だなと感じますか?

そうですね、伝えたいことはまず、「災害やそれに伴う被害のイメージを持つ」ことですね。
みなさん、被災した時のご自身のイメージが具体的ではないように見受けられます。
それが備えにそのまま繋がっているようです。
まずは防災の本を2冊以上、できれば3冊は読んでもらいたいなと思います。

──防災の本を3冊ですか?(驚)

ハイ、とりあえず防災の本を何でもいいから3冊くらい読んでもらうと、
ある程度災害がどういうものであるか、
どんな備えが必要なのかが見えてくると思います。
そこで改めて、自分の実践していることが足りているのか、
足りていないのかということがわかってくると思います。

被災した自分や家族のイメージをつかむ為に

何を読んでいいのかわからないというのであれば、一冊は、被災地の記録を選びましょう。
被災地ではどのようなことが起きたのかを知っていただきたいのです。
そして、もうひとつは自然災害や地震のメカニズムや今後の発生についての本です。
自然や災害の発生の仕組みと今後の動きを知ることで、
防災の重要性に気づくことができます。
最後に、防災の本です。過去に起きた被害や今後の被害予測を知ったうえで、
どのように自分や家族の命、財産を守るのかを考えなくてはなりません。
この3つを読んでいただくとおおよそ災害や防災についての知識が身につき、
どのような準備が必要なのかが見えてくると思います。
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──なるほどー。まずは何よりも学ぶ、
知識を入れていくことが大切だということですね。
防災の本と言われて、国崎先生の本で十分じゃないかと思ったんですが、
実際の体験者の声と、今後の地震発生の怖さというか現実感を知る本。
そして防災の本の3冊を読むと、イメージがしやすいということなんですね。
イメージができれば、我が家としては何をするべきなのかが自ずとわかってくるという。

そうなんです、イメージが大事で、どれくらい具体的なイメージできているかで意識や備え方が変わってくるんですね。

──地震についてなんとなくな感じで、イメージがないから、
食料はこれくらいかな、家具はこれくらい固定してあれば大丈夫かなってことに
目が行きがちなんですね。

ケガや生きていて当然という前提で準備していませんか?

そもそも、大きな地震に見舞われる地域では、
自分や家族は生きているのかということから考えていただきたい。
多くの人は自分や家族は生きていて当然、
ケガもしていないという前提で準備をされます。
私は常に自分や家族は死ぬかもしれないし、ケガをするという前提で、
そうならないためにはどのような準備をすべきかを考えます。

家のまわりや中を見て、ガラスや壊れ物がどれだけあるか、
家具や家電製品、生活雑貨はすべて固定されているか、
閉じ込めや下敷きにならない部屋になっているか、
これらひとつひとつを確認して
自分や家族が無事でいる姿をイメージできたら
次は被災生活で必要な物の準備に入ります。
このように生きている前提があって、食料やトイレのことを考えられたら安心ですが、
たいていは(生きている)と楽観して、
いきなり食料やトイレなどの物の備えに終始してしまうので、そこが心配ですね。

国崎さんのオススメする防災の本はこちら

その1
武村雅之著 『関東大震災―大東京圏の揺れを知る』 鹿島出版会
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その2
毎日新聞「震災検証取材班」著 『検証「大震災」 伝えなければならないこと』 毎日新聞社
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その3
地震列島と原発―首都直下、東海、東南海、南海地震に備える(Newton別冊)
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巨大地震で被災したママ達の体験を読んで

まさに私が楽観している人間の一人です(笑)
阪神淡路大震災も東日本大震災も熊本地震も見ておきながら、
大変だなあと思うレベルで、のんきだなと痛感しました。

そんな私でも一瞬で気持ちが変わったのは、
国崎さんの著書『巨大地震から子どもを守る50の方法』の「3.11私の体験」と、
被災ママ812人が作った『子連れ防災手帖』の「3.11その瞬間と直後」を読んだ時でした。
本当にハッとしたというか、こんなに大変なんだ、こういうこともあるんだと衝撃を受けました。

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それはTVで見ていた客観的な情報とは違ったように思います。
実際に体験した人の言葉は強い。
私のようにのんきに構えて、
「そんなに真剣に考えなくたってー」と思っている人は多いと思います。
日本は地震国と言われているけれど、国としては豊かだからなんとかなるんじゃないかと。

しかし、それは「生きていれば」です。
生きていれば、日本の災害対策は迅速ですから、その後なんとかなるでしょう。

でも、大地震が起きた時に、そもそも私も子どもも生きてるんだろうか?
本を読んだ時にそんな考えが浮かびました。
国崎さんのオススメする「防災に関する本を読む」ことは、
リアルにイメージすることによって、
災害について真剣に考えるきっかけを作るのではないでしょうか。

まずは災害についてもイメージを持つことが、備える第一歩なんですね。
イメージができたら、次にどうやって準備して行けばいいのか?
次回の主婦へえでは、国崎さんに生活の中の防災についてお聞きし、
お子さんのいる家庭で準備したいことについて考えます。

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