
よちまま
美容専門学校を卒業後、エステも行う化粧品メーカーの美容部員や痩身・フェイシャル・脱毛を行う大手エステサロンのエステティシャンとして勤務。知識と経験を活かした美容系記事を中心に執筆するママさんライター。
スキンケアのステップで、まず最初に化粧水を付けるという方も多いことでしょう。
それほど化粧水はスキンケアの中で外せないアイテムだといえます。
そこで化粧水が肌に浸透して効果を実感できるのは手で付ける方なのか、はたまたコットンで付ける方なのか、そもそも効果や肌への影響など違いはあるのかについて、元エステティシャンの筆者の知識と経験も交えつつご紹介したいと思います。
「化粧水なんて手でもコットンでも大差ないんじゃない?」
とお思いの方も
「もっと保湿の効果を実感したい」
という方にもぜひ参考にしていただければと思います。
Contents
化粧水が肌に浸透するメリットとは?
よく化粧品のCMで「角質層まで浸透して…」と言っているのを耳にしますが、
実際に角質層まで化粧水が浸透すると肌にどんなことが起こるかご存知でしょうか。
化粧水を浸透させることで得られる
「乾燥が良くなる」
「しっとりする」
といった保湿効果は肌の見た目や手触りはもちろんのこと、外的刺激から肌を守る役割も担ってくれます。
また、ホワイトニングやエイジングケアといったお手入れの効果をより実感するには美容成分を確実に肌内部へ届ける必要がありますが、
肌が乾燥していると美容成分が肌内部まで届かないため、
角質層まで化粧水が浸透している状態=保湿
がしっかりされていることが結果・効果を実感するためにマストなのです。
化粧水が肌に浸透すると…
-
- 潤いのある肌になる
- しっとりした肌になる
- キメの整った肌になる
- ツヤのある肌になる
- ハリのある肌になる
- バリア機能が高くなり外的刺激に負けない肌になる
- ホワイトニングやエイジングケアなどの効果が出やすくなる
- 化粧ノリが良くなる
- 肌色が明るくなる
これだけいいことづくめなら、化粧水の付け方を見直してみたくなりますね。
角質層ってどこにあるの?今さら聞けない肌の仕組み
※画像出典:花王スキンケアナビ
そもそも肌は3層構造になっており、肌表面に近い方から“表皮”“真皮”“皮下組織”で出来ています。
“表皮”は更に4層構造になっており、角質層(角層)は4層構造の一番上、肌表面に最も近い部分のことで、その厚みは0.02㎜、わずかラップ1枚分しかありません。
それほど薄い角質層(角層)は、例えるならミルクレープのような作りになっていて細胞と油分(細胞間脂質)が重なり合って出来ています。
細胞と油分がしっかり重なって水分を保つことが出来ればバリア機能が高まり外的刺激から肌内部を守る上に、美容成分を届けることも出来ます。
しかし乾燥などで細胞と油分が密着せずスカスカになってしまうと、隙間から外的刺激が入り込み敏感に反応してしまったり、美容成分が肌内部に届かず結果・効果を実感しにくくなってしまうのです。
化粧水を手で付ける場合
さて、ここからは実際に化粧水を手で付ける場合のメリット・デメリットをご紹介したいと思います。
ご自分の肌質や肌状態、また使用している化粧水と照らし合わせてみていただければと思います。
大前提として化粧水を手で付けることは肌に直接触れることになりますから手は清潔である必要があります。
汚い状態のまま肌に触れてしまうと肌荒れが起きたり状態が悪化することも考えられます。
清潔な手で肌状態を確認しながら、手のひらだけでなく指も使って目周りや鼻などの細かい部分にもしっかりと化粧水を付けて、仕上げに保湿成分や美容成分を浸透させるイメージでハンドプレスします。
手のひらに肌が吸い付いてきてやわらかくふっくらした肌になったら角質層(角層)まで化粧水が浸透したサインです。
メリット
- 直接、肌に触れながら付けることで肌状態を確認できる
→日々、変化する肌状態は目で見ただけでは気付けないことも多いものです。
例えば肌の弾力。
一見キメの整った肌状態に見えても弾力は触らなければわかりません。
スキンケアしながら肌状態を確認して次のステップをどうするか、パックなどのスペシャルケアが必要か判断できます。
- ハンドプレスして浸透力を高めることができる
→化粧水に配合されている美容成分には温めることで浸透力が高まるものもあります。
手の熱で美容成分を肌に送り込むイメージで、ゆっくりやさしく押さえるように付けると次第に手に肌が吸い付いてくるようになります。
- コットン代が掛からない
→コットン1枚当たりの金額は微々たるものでも朝・晩コットンを使うことを考えると、なかなかの金額になってしまいます。
スキンケアしない日は基本的にはありませんから手で付けるだけでコットン代の節約になります。
- こすり過ぎ、叩き過ぎを防げる
→敏感肌の方や季節の変わり目などで肌が敏感になっている時、ニキビや吹き出物が出来ている時には手でやさしく付ける方が肌への刺激が少なくて済みます。
但し、化粧水を付ける手は清潔な状態でなければなりません。
汚い手で触ることでニキビや吹き出物が悪化したり敏感な状態がひどくなることも考えられます。
デメリット
- 化粧水をこぼすなど無駄にしてしまう
→化粧水の種類にもよりますが水状のサラッとしたタイプは、手で水をすくった時のように手からこぼれてしまいやすいです。
肌に付ける前にこぼしてしまってはもったいないですよね。
比較的保湿力の高いとろみのあるタイプであればこぼれにくくて手で付けやすいですが、肌質によっては合わないこともあります。
また「さっぱりした使用感が好き」という方にとっては、とろみのあるタイプはベタつく印象を与えかねません。
いずれにしても、手から肌へ付ける時にこぼさないように工夫しなければいけませんよね。
- そもそも手で付けることが向かない化粧水がある
→化粧水の中には毛穴を引き締めたり日焼けなどで火照った肌の炎症を抑える収れん化粧水や肌表面の角質を落としてなめらかな状態に整えたり化粧水や美容液などの浸透を助けるふき取り化粧水があります。
これらは基本的に手で付けることでは効果が得られません。
収れん化粧水は手の温度で効果が半減してしまいますし、ふき取り化粧水はコットンに角質を絡みつかせて落とすことが目的だからです。
- 不衛生な手で付けると肌状態が悪くなる
→メリットでお話ししましたように化粧水を付ける手は清潔でなければなりません。
ニキビや吹き出物は菌が増えることで悪化しやすくなりますから、髪の毛を触った後や帰宅後の汚いままの手で肌に触れることはNG。
化粧水を付ける付けない以前に気を付けたいですね。
- 手で付けることで付けムラができやすい
→ファンデーションでも同じことが言えますが、手で付けると少ししか付いてない部分とたくさん付いている部分でムラが出来てしまうことがあります。
ファンデーションでしたら目で見てムラがわかりますが、化粧水では気付くのは難しいかもしれません。
目周りや鼻など細かい部分は付けムラが起きやすいと言えます。
化粧水をコットンで付ける場合
続いて化粧水をコットンで付ける場合のメリット・デメリットをご紹介したいと思います。
手で付ける場合同様、ご自分の肌質や肌状態、また使用している化粧水と照らし合わせてみていただければと思います。
コットンに化粧水を染み込ませてやさしく丁寧に化粧水を肌に押し込むイメージで付けていきます。
この時、少量の化粧水で強く叩いたりこするのはNG。
肌荒れの原因になる可能性があります。
たっぷりの化粧水を含ませたコットンで肌表面を仰ぐように軽くパッティングすると、あっという間に肌の温度を下げ引き締め効果を期待できます。
毛穴の開きが気になる方や夏場、皮脂が出やすい方におすすめですよ。
メリット
- 化粧水を付ける以外にも応用できる
→手軽なスペシャルケアとして“コットンパック”をスキンケアに取り入れている方も多いと思います。
コットンパックには保湿効果だけでなく、日焼け後の炎症を抑える効果も期待できます。
日焼け後の肌は熱々のフライパンのように少しくらいの水分ではすぐに蒸発してしまいます。
化粧水をたっぷり含ませたコットンでパックすることで炎症を鎮め、更にホワイトニングの美容成分も届きやすくなります。
- 化粧水をこぼさず使え、付けムラも防げる
→手で化粧水を付けると、どうしてもこぼしてしまうという方もいらっしゃると思います。
コットンに染み込ませたものを肌に付けることで、そのお悩みは解消できます。
また、化粧水を染み込ませたコットンでゆっくり丁寧に肌を押さえ込むように付けることで化粧水の付けムラを防ぐことが出来ます。
- 衛生的にお手入れできる
→手で化粧水を付ける時にくらべ毎回キレイなコットンで化粧水を付ける方が断然、衛生的だと言えます。
コットンに化粧水をたっぷり染み込ませてから、こすらず叩かずやさしく押さえるように化粧水を付けるようにすると、ニキビや吹き出物がある状態でもしっかり保湿することができます。
- パッティングでの引き締め効果が得られる
→先にもお話ししましたように、たっぷり化粧水を含ませたコットンで肌表面を仰ぐ感じでパッティングすると、肌温度が下がって引き締め効果が得られます。
パッティングとはいえ肌を叩くのではなく、風を送るようにパタパタ仰ぐイメージです。
“水うちわ”をご存知の方は理解しやすいかと思いますが、水気を含んだもので仰ぐと冷たい風が肌に当たるので肌表面の温度が下がって、毛穴が引き締まり皮脂の分泌も和らぎます。
デメリット
- 肌状態を確認しにくい
→先にもお話ししましたように肌状態は目視だけでは気付けないことがあります。
弾力以外に、ざらつきもその一つです。
いつもと違う肌状態だと気付けば、すぐにお手入れできますし早く手を施せばいつもの肌状態に戻しやすくなるといえます。
たかが肌のざらつきと侮っていると、肌のくすみや毛穴の詰まりの原因にもなりかねませんから気を付けたいですね。
- コットンの品質によって肌への負担になる
→肌はこすったり叩いたりという物理的な刺激によって肌荒れやトラブル、シミやしわ、たるみなどが起こることがあります。
コットンでこすったり叩いたりすることはもってのほかですが、安価でコットン自体の厚みがあまりないようなものはこすれやすくなる原因になりますので使用をおすすめできません。
- コットンが化粧水を吸ってもったいない
→肌への摩擦を考えて、コットンにたっぷりの化粧水を含ませてお手入れした後、コットンに残った化粧水をもったいないと思ったことありませんか。
使う化粧水によって使用量はさまざまですが、コットンが吸ってる分を考えると経済的に考えてももったいないですよね。
- 化粧水のテクスチャーによっては不向き
→保湿効果の高いとろみのあるタイプはコットンには染み込みづらく十分な量を付けることが難しいといえます。
肌への影響や刺激だけでなく、使う化粧水との相性も重要ですね。
大手化粧品メーカー推奨 化粧水の付け方
ここまで手で化粧水を付ける場合とコットンで付ける場合のメリット・デメリットを、おすすめの使用法などを交えながらご紹介してきましたが、
次は有名化粧品メーカーが推奨する化粧水の付け方をご紹介します。
各社こだわりがつまっていますのでぜひ参考にしていただければと思います。
資生堂の場合
画像出典:資生堂ワタシプラス
資生堂では化粧水と乳液はコットンで付けることを推奨しています。
公式サイトでは動画で化粧水の付け方を紹介しています。
とても丁寧でこだわりが感じられました。
動画出典:資生堂ワタシプラス
花王ソフィーナの場合
画像出典:花王ソフィーナ公式サイト
花王ソフィーナでは化粧水は手で付けることを推奨しています。
肌に付ける順番や手のひらを密着させてハンドプレス、適量使うことを紹介しています。
カネボウの場合
画像出典:カネボウ公式サイト
カネボウでは化粧水は手またはコットンで付けることを推奨しています。
自分の好みで選べるのはいいですね。
化粧水を肌に付ける順番をイラストで紹介しています。
アルビオンの場合
画像出典:アルビオン公式YouTubeスクリーンショット
アルビオンでは化粧水はコットンで付けることを推奨しています。
使用量はコットンが透けるくらいが目安と紹介しています。
動画出典:アルビオン公式YouTube
コーセーの場合
画像出典:カネボウ雪肌精公式サイト
コーセーでは化粧水は手またはコットンで付けることを推奨しています。
シリーズやブランドによって付け方が違うので使用前に確認が必要です。
動画出典:カネボウ雪肌精公式YouTube
まとめ
化粧水が浸透しやすいのはコットン?手のひら?いかがでしたでしょうか。
手とコットン、どちらがいいということではなく、肌質や肌状態、また使う化粧水の種類によって手で付けるのかコットンで付けるのかを正しく選ぶことでそれぞれ良さが引き出され、結果、角質層(角層)まで浸透できること、お分かりいただけたかと思います。
各化粧品メーカーでお手入れ動画やイラストが紹介されていますので毎日のスキンケアの参考にしていただければと思います。
かくいう筆者も肌状態を確認して手とコットンを使い分けています。
子育て中で睡眠不足気味ですが、肌トラブルなく過ごせています。
どうぞ皆さんもご自分の肌にピッタリ合った化粧水の付け方を見つけてみてくださいね。
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