ricorico
ライター・編集者。
暮らしまわりを中心に雑誌・カタログ・webなどで執筆中。
一日の疲れをほぐしてくれるバスタイム。
とくに寒い季節は、一日の締めくくりの
温かいお風呂は、ほっとするひとときです。
湯ぶねにつかる入浴は、体が温まる温熱以外にも、
水圧と浮力の効果によって、体も心もリラックスします。
そんなお風呂のリラックス効果を
さらに高めてくれるのが香りのいい入浴剤。
スキンケア効果や、血行促進効果など、
さまざまな種類の入浴剤が市販されているなかで、
入浴剤を選ぶ時のポイントは、”香り!”という人が
いちばん多いそう。
なかでも、植物から抽出した精油<エッセンシャルオイル>の
アロマセラピー<アロマテラピー>による入浴
<アロマバス>がまた、注目の兆し!
天然の香りにつつまれる
アロマバスは格別の心地よさ。
暮れに向けて気忙しくなる時期。
香りのいいアロマバスで、ゆったりしたバスタイムの
ひとときは、いかがですか。
Contents
天然の精油で楽しむアロマセラピーって?
アロマセラピー<アロマテラピー>は、
ハーブなどの植物が備え持つ芳香成分を活用して、
自己治癒力を高め、心と体を健やかにする自然療法のひとつ。
芳香植物にはさまざまな薬効があると伝えられていて、
アロマセラピーで使う精油<エッセンシャルオイル>には、
有効成分がギュッと凝縮されています。
アロマセラピーでは鼻から吸った香りが脳に伝わって
心や体に働きかけると言われています。
と同時に、鼻を通った香りは肺へ届き、
血液によって薬効成分が体内に運ばれたり、
皮膚から吸収して、効果を発揮します。
体内に入った芳香成分は尿や汗などで排泄されてしまいます。
アロマセラピーの方法は、芳香浴、湿布、マッサージなど、
さまざまな方法がありますが、そのなかのひとつが、
アロマバスと呼ばれる入浴。
手軽にできるうえ、バスルームのような狭い密室でおこなうことで
香りをしっかり楽しめることができ、
植物の薬効成分を肌に浸透させることができるなど、
うれしいメリットがあります。
いちばんのおすすめはラベンダーの精油<エッセンシャルオイル>。
芳香植物と呼ばれるハーブから、精油が採れるものは、
およそ200種類と言われています。
数の多さに迷ってしまうけれど、
精油<エッセンシャルオイル>選びは、
自分が心地いい好みの香りを選ぶのが
いちばんのリラックス法!
まずは、お気に入りの香りから始めましょう。
さらに、それぞれが持つ薬効成分に注目して選べば
リラックス効果がぐっと増します。
リラックス効果抜群と言われているなかでも、
いちばん人気はフローラル系のラベンダー。
優しくて、すっきりとした香りのラベンダーは、
不眠対策として有名なハーブ。
鎮静効果があり、ストレスなどからくる緊張を和らげて、
心をほっと落ち着かせてくれます。
芳香浴やアロマバスはもちろん、
サシェにして衣類の防虫剤代わりにと、
さまざまなシーンで使える万能精油と
言われています。
(※妊娠中や車の運転時は避けましょう)。
ラベンダー+ローマンカモミール、
ラベンダー+クラリセージなど、
ラベンダーをベースにほかの精油とブレンドするのも
相性がよく、初心者の人はもちろん、
常に1本持っておくと便利な精油です。
ラベンダーの精油は産地別の種類も多く、
それぞれ、香りが微妙に違います。
購入時はムエット(試香紙)で香りを確認するのがおすすめ。
リラックス効果バツグンでおすすめ!
代表的なおすすめの香りの精油。
ラベンダー以外にもリラックス効果が高く、
アロマバスとしておすすめの代表的なものを
少しご紹介しておきましょう。
カモミールローマンの効果
かわいい花を咲かせるカモミールの中でも、
青りんごのようなさわやかな香りがする、
人気のカモミールローマン。
ギリシャ語で”地面のりんご”と呼ばれています。
不眠はもちろん、鎮静効果に優れ、
緊張感や不安を和らげたり、心を穏やかにしてくれます。
生理痛や、生理前のイライラした時にもおすすめ。
ゼラニウムの効果
ほのかにローズの甘い香りがする芳しい香りです。
緊張を和らげて気持ちをパッと明るくしたり、
不安やストレスで落ち着かないときにもぴったり。
ホルモンバランスを整える作用があるので、
更年期の症状にも役立ちます。
フランキンセンス(乳香)の効果
キリストの誕生の贈り物として捧げられたと
伝えられているフランキンセンス。
甘くスパイシーな樹脂系の香りの中に、
レモンのような匂いがします。
心をほっと和ませてリフレッシュさせる効果はもちろん、
肌にハリや弾力を与える効果も。
ネロリの効果
オレンジの香りを少しフローラルにしたような、甘く上品な香り。
記憶に深く残るとてもいい香りと評判で、効果な精油です。
疲れきった心を解きほぐしてストレスを軽減し、
興奮や緊張で眠れないとき、イライラした症状にもおすすめ。
乾燥した肌を修復する作用も期待できます。
ローズの効果
クレオパトラも愛した香りで、肌のアンチエイジングでも有名。
マイナスになった心をほぐして、ポジティブで明るい気持ちに。
女性ホルモンのバランスも整えてくれます。
クラリセージの効果
ナッツのような甘さを感じる香り。
気忙しくて落ち着かないときなどに、
緊張や感情の高まりを抑えてくれます。
精神的なストレスによる筋肉痛や肩こり、頭痛にも。
レモングラスの効果
レモンよりも香りが強く、デオドラント効果でも有名。
副交感神経の働きをサポートして、
心労による疲れを和らげます。
筋肉疲労や足の疲れによるむくみなどのときにも。
オレンジの効果
親しみやすい甘くてフレッシュな香りのオレンジ。
鎮静効果に優れ、リラックスしたいときはもちろん、
気持ちを明るくしてリフレッシュする効果も。
ぐっすり眠りたいときにもおすすめ。
その日の気分や状態に合わせて、
手軽にアロマバスが楽しめるのも精油の魅力。
リラックスできるお気に入りの香りが見つかったら、
少しずつ違う香りを増やして、
別の精油とブレンドして楽しみましょう。
数種をブレンドするときは、同じ系統のものなら
香りの調和がとれやすいので、
まずは同じ系統から選んでみてください。
精油の系統
フローラル系(ラベンダー、ローズ、ゼラニウムなど)
ハーブ系(ミント、ローズマリー、フェンネルなど)
柑橘系(オレンジ、レモン、レモングラスなど)
樹木系(ユーカリ、ローズウッドなど)
スパイス系(クローブ、シナモン、ローレルなど)
樹脂系(フランキンセンス、ミルラなど)
エキゾチック系(イランイラン、サンダルウッドなど)
いい香りにつつまるバスタイム。入浴剤の精油の使い方
アロマセラピーというと、ハードルが高いように思いがちですが、
アロマバスの楽しみ方はとても簡単です。
浴槽にはったお湯の中に精油を落として使うだけです。
お湯に入れる量は基本4〜5滴と言われていますが、
肌が弱かったり、デリケートな時、
香りが強い精油を使う場合は量を少なめにしましょう。
精油の種類によっては量を控えたほうがいいものもあるので、
初心者の方は購入時にお店で聞いてください。
できれば、エッセンシャルオイルはお湯に溶けにくく、
精油の種類によっては稀に肌への刺激になることもあるので、
できれば、天然塩とあわせてバスソルトにして使ったり、
アロマ専門店などで手に入るバスオイルに精油を混ぜて使うのが
おすすめです。
よりリラックスしたいときは、
よく温めたバスルームで、
38°C前後のぬるめのお湯に精油を混ぜたバスソルトや
バスオイルを入れ、半身浴で香りを楽しみながら
ゆっくりお湯につかると効果的。
逆にシャキッとリフレッシュしたいときには、
熱めの40°Cくらいのお湯に入れて、肩まで
つかって短時間の入浴を。
エッセンシャルオイルを選ぶときの注意点。
精油を選ぶときには、合成香料が入っていない、
100%天然のものであることが大切です。
信頼できるブランドや、正しい知識をもった
アドバイザーがいるお店など、専門店で購入をすると安心です。
信頼ができるお店やブランドのものを選ぶと、
安心なだけでなく、香りそのものもやわらかで心地よく、
残り香の持続性も楽しめます。
敏感肌やアレルギー体質の人は、
強い精油はかぶれを引き起こすことがあるので、
パッチテストをするのがおすすめ。
妊婦中や高齢者、持病のある人は、
精油の中にはダメージを受けるものがあります。
医師に相談をしてから使ってください。
保管はお風呂場などの高温多湿の場所、
直射日光を避け、温度変化が少ない場所で保管をしましょう。
精油を含め、入浴剤は、風呂釜、浴槽によって使えないことも。
浴槽や風呂釜を確認してから使ってください。
精油でつくる入浴剤でリラックス!アロマバスソルトのつくり方。
精油と天然塩があれば、簡単に自分の好きな香りの
入浴剤がつくれます。
ミネラルなどが豊富な天然塩と合わせることで、
保湿効果が高まったり、体の老廃物を促してくれたり、
代謝がアップしやすくなったりなど、うれしい効果も。
<つくり方>
天然塩大さじ3杯ほどに対して、精油3〜5滴の分量で。
ガラス容器などに天然塩を入れ、精油を落として、
不要なスプーンなどで、精油が均一に混ざるように
よく混ぜれば出来上がりです。
精油は好みのものを2〜3種ブレンドするのもおすすめ。
作りおきする場合は、密閉容器で保存をし、
2週間くらいを目安に使いきれる量を。
フレッシュハーブでつくる香りのいい入浴剤。
フレッシュなハーブを使った入浴剤も楽しみましょう。
濃度の濃い精油に比べると、効果や香りは多少おちますが、
庭やベランダで育てているハーブがあれば、
手軽に楽しむことができますよね。
<つくり方>
フレッシュなハーブひとつかみ分ほどを、
お茶パックやガーゼなどに包み、
口がほどけないようにしっかり結んで、
浴槽に入れるだけで香りのいい入浴剤になります。
ハーブソルトの場合は、
ひとつかみ分くらいの天然塩に、
同量のフレッシュハーブを混ぜて、
ガーゼなどに入れてバスタブへ。
フレッシュハーブの入浴剤は作り置きせず、
使うたびに作るのがおすすめ。
<参考資料/『はじめてのアロマテラピー』(佐々木薫監修 池田書店)、 『アロマテラピーの教科書』(和田文緒著 新星出版社)、 『アロマテラピーのきほん事典』(渡邊聡子監修 西東社) |
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