大切な器を金継ぎで楽しく修理。

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ricorico
ライター・編集者。
暮らしまわりを中心に雑誌・カタログ・webなどで執筆中。

割れたり、かけたり、ひび割れた器を漆(うるし)で修復する、
金継ぎを楽しむ人が増えています。

海外では和名そのままに”KINTSUGI”と呼ばれ、
日本の伝統的技術として注目されています。

教室やワークショップがひらかれたり、金継ぎの書籍も増え、
自宅でできる金継ぎセットも販売されています。

金を蒔(ま)くことで、器に新しい世界が見える金継ぎ。

壊れたものをちゃんと直して、
大切に使う気持ちをもつことも素敵なことですよね。

金継ぎをぜひ楽しんでみましょう。

陶磁器の修復、金継ぎとは?

壊れたものに新たな価値を与えて蘇らせる、金継ぎ。
茶の湯が盛んだった室町時代に、
茶道からはじまった伝統の修復技法です。

金継ぎは、金で継ぐと言っても、金で接着するのではありません。

陶磁器の、割れや、ひび割れ、欠けなどの部分を漆(うるし)で接着し、
金などの金属粉で蒔(ま)いて装飾して仕上げます。

漆で接着をすると、継いだ部分に黒い漆の跡が残ってしまうので
それを隠すために金の粉を使って装飾をほどこします。

西洋のように、割れたものをきちんと元の形に修復するのではなく、
装飾した金が、もとの器とは違う表情になることを大切にしています。

継いだところを”景色”と呼び、ほころびの美ととらえています。
日本ならではの美の精神が感じられますよね。

修復後のうつわは、趣があってなんとも魅力的なのです。

金継ぎの主なステップは、

1.接着

2.パテで欠けた部分を埋める

3.やすりをかける

4.金で飾る

5.乾かす

という手順。

割れた器の破片を、漆でつくった接着剤でくっつけて、
隙間や穴を漆でつくったペーストやパテで埋めてうるしをぬり、
乾かない間に金粉を蒔くというのが主な流れです。

欠けた場合は、欠けた場所をパテかペーストで埋めて、
漆を塗り、金属粉を蒔きます。

かつては、一度つくと離れないということから、
縁起物として、お嫁入り道具に欠かせないご祝儀だったとか。

ちなみに銀で装飾する場合は銀継ぎと言います。

金継ぎの陶磁器の修理、どんな仕上がりに?

インスタグラムの投稿のなかから、金継ぎの一例を、
ご紹介しておきますね。

割ったものを修復した金継ぎはこんな風になり、
割れる前とは違う表情が美しいですね。
こちらはプロによる金継ぎ。

欠けた赤絵の器はこんな風に修復されています。
蒔いた金がアクセントになって味わいがありますね。

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こちらも欠けた部分を金継ぎしたものです。
金が入るとちょっとモダンな味わいになりますね。

初めての金継ぎチャレンジのようですが、素敵!

Yoshiさん(@kiki_yohyoh)がシェアした投稿

アンティークのロイヤルコペンハーゲンの金継ぎ。
洋食器の金継ぎも魅力的です。

京都「金継ぎ工房リウム」の、プロによるお直しです。

複雑に割れてしまっていても、こんな味わいのある仕上がりに。
シンプルな器が金継ぎによって新しいおしゃれな趣を見せています。

こちらは割れた器の破片が足りない時に、ほかの器の破片を
使って埋めていく、呼び継ぎという金継ぎ技法。

呼び継ぎは、金継ぎのように同じものをつなぐのではなく、
別の器の割れ物をつなぐ、呼んでくるという修復です。

何種類もの破片をつなぎあわせたり、
ガラスの破片を組み合わせたりなど、新たな美がまたうまれます。

こちらも美しい呼び継ぎ。

プロからアマチュアまで、インスタグラムやフェイスブックなど、
SNSでは素敵な金継ぎ作品の投稿が見れます。
ワークショップや教室の開催、プロの作品展のお知らせ投稿もありますよ。
#金継ぎでぜひチェックを。

金継ぎ修理時の、漆のかぶれは?

漆によるかぶれは、漆のウルシオールという主成分が、
皮膚のたんぱく質と反応して起こるもの。

金継ぎは天然の本漆を使うので、かぶれが起きる可能性はあります。

いつもは平気でも体調によってかぶれが起こることもあります。

季節によってもかぶれやすい時があるようで、
とくに毛穴が開く夏の暑い時期はかぶれやすい季節。

初めてかぶれたときはひどい場合が多いそうですが、
少しずつ免疫力がついてくることが多いそうです。

長年金継ぎ教室をひらいている先生のなかには、
これまでまったくかぶれた生徒さんがいないという方がいたり、
漆が手につかなくても、空間にいるだけでかゆくなるという
生徒さんがいるという先生も。

やはり個人差なのですよね。

漆にかぶれないようにするには、手袋やアームカバーなどで
きちんと保護をして漆が直接つかないようにするのが大切。

ついてしまったらできるだけ早く油などでふきとり、
しっかりきれいに洗うこと。

落とさずほおっておくと、
水泡になったり、肌が腫れることもあるので、気をつけましょう。

また、漆かぶれはすぐには起こらず、1〜2日たってから
かゆくなるケースが多いようです。
さわった後に、かゆいなと感じたら、すぐに皮膚科へ。

金継ぎの修復に使う新うるしって?

新うるしは、各メーカーがだしている合成うるしのひとつの商品名。

合成うるしは植物性の樹液を主原料にした、うるしに似せた合成塗料です。

合成うるしは、本来の本漆を使う金継ぎよりもかぶれる心配が少ない、
比較的短時間で仕上がるなどのメリットがあるようですが、
食べ物を入れる器を金継ぎして長く使うには
100%安心とは言い切れないデメリットもあります。

ネットなどで合成うるしを購入する場合は、メーカーの公式ホームページなどで、
メリットデメリットを確認してから使ってくださいね。

ちなみに最近増えている簡易金継ぎは、主に合成のうるしや
パテなどを使う金継ぎのこと。

簡漆金継ぎと呼ぶものは接着や穴埋めには合成樹脂を使い、
表面の塗りに本漆を使うものだそうです。

 自宅で楽しめる金継ぎセット。

近ごろは初心者向けの金継ぎの本や、金継ぎセットが手に入りやすくなり、
自宅で楽しむ人が増えています。

●金継ぎセットはこんなセットになってます。

箕輪漆行(みのわしっこう)金継ぎセット(消仕上げ法)

陶器の割れや欠けを本漆で接着補修し、金粉をまいて仕上げる
セット。わからないときは、漆アドバイザーが電話で対応してくれる。

箕輪漆行公式ホームページ
http://urushiya.ocnk.net/product/1180

東急ハンズ金継ぎ初心者セット

割れた陶磁器を修復する、うるしや小麦粉の天然素材のセット。

東急ハンズ公式ホームページ
https://hands.net/goods/2401020995907/

金継ぎセットは東急ハンズ、amazon、楽天のほか、
漆工芸店やホームセンターなどで扱っているところも多くあります。

金継ぎセットを使う場合や教室に通いたいときは、
できれば教室の体験レッスンや、ワークショップなどに
参加をするのがおすすめ。

いちどワークショップや、金継ぎ教室の一日体験などに参加しておくと、
本漆のかぶれのことも聞けるし、
作業のちょっとしたコツなどがわかるので、
金継ぎセットなどを使って自宅で楽しむ時にもスムーズに運びますよ。

まとめ

金継ぎは、壊れたものを修復して、そこにまた新しい美を作り出す
素敵な伝統的技法です。

本うるしのかぶれが気になったりと、少しためらってしまう方も
いるかもしれませんが、それに優る美しさ、楽しさです。

いちど、金継ぎのワークショップや金継ぎ教室、
金継ぎの展示などに出かけてみてはいかがですか?

3.11の震災以降、ものを大切にすることが見直されています。

欠けたお茶碗や、割れたマグカップ、今まではあきらめて処分していたものを
修復して、愛でる楽しみ、ぜひ見つけてくださいね。

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